ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席。Alexander Kazakov/via REUTERS西側の制裁により、ロシアは経済を維持するため、中国への依存を強めざるを得なくなっている。中国はロシアにハイテク製品を供給し、ロシアから原油を安価に購入している。この組み合わせは北京の優位性を高めている。中国が経済的影響力を強める一方で、ロシアの立場は「従属的なパートナー」へと縮小している。

戦時の西側による包括的な制裁の重圧下で、ロシア経済は、北京へと軸足を移すことによって下支えされてきた。しかし、それには代償が伴っている。

現在は救いの手のように見えるものも、長期的にはモスクワを北京の従属的な経済パートナーという立場に固定しかねない。シンクタンクのAtlantic Councilが12月12日に公開した報告書によれば、ロシアは、西側の制裁によって遮断された主要な工業製品や高度な中間財について、中国への依存を大きく強めているという。

ロシア、ついに幼稚園でも「戦争教育」開始。装甲車ゲーム、包帯の巻き方、“特別軍事作戦”の武勇称える詩を朗読… | Business Insider Japan

ロシア、ついに幼稚園でも「戦争教育」開始。装甲車ゲーム、包帯の巻き方、“特別軍事作戦”の武勇称える詩を朗読… | Business Insider Japan

「経済面でも政治面でも、ロシアと中国の関係は、かなり非対称であると同時に、相互に利益をもたらすものでもある」と、著者であるピーターソン国際経済研究所の非常勤上級フェロー、エリナ・リバコワ(Elina Ribakova)と、キーウ経済大学研究所の経済アナリスト兼非常勤リサーチフェロー、ルーカス・ライジンガー(Lucas Risinger)は記している。

中国は、ロシア産原油を、ヨーロッパの顧客が買わなくなった分を相殺するほどの規模で購入している。ただし、その価格は割安だ。一方でロシアは、西側からのボイコットや制裁を受け、中国から機械類や自動車、電子機器を購入している。

「2000年代にはロシアが中国に対して、より付加価値の高い製品を輸出していた。当時と比べると、これは両国関係が完全かつ屈辱的に逆転したことを示している」と著者らは指摘する。

2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、プーチン政権は国家経済を戦時体制へと移行させてきた。制裁や輸出規制がある中でも、防衛支出や政府支出の拡大によって、表面的には経済の底堅さが維持されている。

しかし、原油価格が低迷する中でエネルギー輸出収入が急減するなど、綻びも表れ始めている。また、依然として高いインフレの影響で、消費者需要も弱まっている。

中国がロシアを必要とする以上に、ロシアは中国を必要としている

現在、ロシアの輸入において中国は大きな比重を占めており、対中貿易の大半は中国人民元建てで決済されている。

ロシアは2023年に中国にとって最大の原油供給国となったが、それでもロシア産原油が中国の原油輸入全体に占める割合は5分の1にすぎない。一方で、石油・天然ガスの収入はロシアの歳入のおよそ3分の1を占めている。

中国は巨大な製造業を抱えているため、世界市場での買い手を必要としており、ロシアはそのひとつとなっているが、2国間の貿易による恩恵は「中国よりもロシアにとってはるかに重要だ」と著者らは記している。中国は、かつてヨーロッパがロシア産エネルギーに依存していたような形で、モスクワに依存しているわけではないからだ。

さらに著者らは、「経済的な観点から見れば、中国はロシアにとって、かつての欧州連合(EU)ほど魅力的な貿易相手ではない」と指摘する。中国は石油や天然ガスをより安価で購入し、ロシアへの投資もはるかに少なく、中国製品は技術面で劣る場合が多いという。

とはいえ、こうした歪んだ関係から、中国は、交渉や取引において大きな優位性を得ており、モスクワの選択肢が限られていることを見越して、ロシア産原油を大幅な値引き価格で購入している。

「ロシアは、少なくとも台湾をめぐる戦争から注意をそらすためだけにNATO(北大西洋条約機構加盟国)を攻撃するほど、中国に従属的になったわけではない。しかし、『無制限のパートナーシップ』をうたう両国関係において、ロシアが下位の立場にあることは確かだ」と、著者らは結論づけている。

人口減・労働力不足で外国人労働者に頼るのは「負の選択」…ロシアの銀行家が警告 | Business Insider Japan

人口減・労働力不足で外国人労働者に頼るのは「負の選択」…ロシアの銀行家が警告 | Business Insider Japan

WACOCA: People, Life, Style.