8日に発生した青森県沖を震源とするマグニチュード7.5の地震により、NTT青森八戸ビルに設置された鉄塔が損傷した件で、NTT東日本は23日、調査の結果、倒壊のおそれがないことが確認できたと発表した。
ビルの全景。写真提供:NTT東日本(以下同)第三者機関が解析、「倒壊のおそれなし」
地震直後の強度計算では、一部部材の強度不足により倒壊の可能性がゼロではなかったことから、地震が与える影響を正確にシミュレーションできる「時刻歴応答解析」を第三者機関に依頼して詳細に検証した。

その結果、現状の損傷状況では新たな部材損傷も発生せず、鉄塔は倒壊しないことが確認できたという。シミュレーションは、建築基準法に基づき、阪神淡路大震災や十勝沖地震に加えてランダムな地震の波形の3つの想定で解析。いずれの場合も、新たな損傷は起きず、倒壊のおそれがないことを確認した。


当初、NTTファシリティーズによる強度計算では、倒壊の可能性を否定できなかったものの、強度計算だけでは、損傷の結果どのように倒壊するのか、実際に倒壊するのかまでは断定できない。時刻歴応答解析の場合、部材の損傷後、建物全体が倒壊に至るかを詳細に検証できるため、NTT東日本では今回の検証結果をもとに、NTT青森八戸ビルの鉄塔に倒壊の危険性はないと判断した。
復旧工事の様子
国道45号の通行止めと八戸市の避難指示は23日20時30分に解除された。鉄塔の補修工事は現在も進められており、12月30日にも完了する見込み。

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