米GDP、第3四半期速報値は4.3%増 予想上回る

米商務省が23日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.3%増加し、伸びは第2・四半期の3.8%から加速した。2018年10月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 23日 ロイター] – 米商務省が23日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.3%増加した。伸びは第2・四半期の3.8%から加速し、過去2年間で最も速いペースでの成長となった。旺盛な個人消費にけん引され、エコノミスト予想の3.3%を上回って成長。輸出の増加による貿易赤字の縮小や政府支出、設備投資や人工知能(AI)関連投資の底堅さも寄与した。

しかし、生活費の上昇のほか、この秋の政府機関の一部閉鎖などの影響で勢いは足元で鈍化している可能性がある。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏はGDPについて「1月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性は大幅に低下し、今後の動きについても若干の疑問が生じるだろう。経済の回復力を考慮すると、2026年の利下げを促すには、雇用とインフレの両方の軟化が必要かもしれない」と述べた。

個人消費は3.5%増と2024年第4・四半期以来約1年ぶりの高い伸び率を記録。第2・四半期は2.5%だった。レジャー用品や車両、海外旅行に加え、家庭向け食品や処方薬、衣類など非耐久財への支出、外来・入院・介護を含む医療サービス支出も増加した。

エコノミストは、株価上昇に支えられた高所得層が消費を押し上げる一方、関税などが一因とみられる高インフレで中・低所得層は支出を控えており、「K字型経済」が広がっていると指摘する。また議会予算局(CBO)は、43日間に及んだ政府閉鎖が第4・四半期のGDPを1─2ポイント押し下げる可能性があると試算している。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する個人消費支出(PCE)価格指数は、第2・四半期の2.1%上昇から第3・四半期は2.8%上昇に伸びが加速した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は第2・四半期の2.6%上昇から2.9%上昇と、こちらも伸びが加速した。

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米ホワイトハウス国家経済会議(NEC)のハセット委員長はGDPについて、トランプ米大統領の貿易政策とAIへの投資の成果であり、今後の雇用増加の加速を予感させると述べた。CNBCのインタビューで「これは本当に素晴らしい数字であり、米国民にとって最高のクリスマスプレゼントだ」と述べた。

また「景気回復はまさに軌道に乗りつつあり、非常に多くの人が傍観者から抜け出し、労働力に加わっている。新年を迎えてもGDP成長率が4%の範囲を維持すれば、(月間雇用者数の増加は)10万人から15万人の範囲に戻るだろう」とした。

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