ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け

トランプ米大統領による、ベネズエラに出入港する制裁対象の石油タンカー封鎖命令に対する抗議デモ。2025年12月17日、ベネズエラ・カラカスで撮影。REUTERS/File Photo

[22日 ロイター] – LSEGの追跡データや関係筋の情報などから、ベネズエラの石油タンカーの積み込みが減速していることが分かった。また、大半の石油タンカーの移動は国内港湾間に限られているもよう。米沿岸警備隊が週末、ベネズエラ沖の国際水域で石油タンカーを新たに拿捕(だほ)したことが背景にある。

データによると、積荷があるものの出港しないタンカーがここ数日増えており、数百万バレルのベネズエラ産原油が積まれた状態になっている。

輸出向け原油の積み込みなどでベネズエラに接近するタンカーが、積み込みに関する指示が明確になるまで、Uターンもしくは航行を中断する動きもみられるという。

ベネズエラのヒル外相は22日、米国による(石油タンカーの)拿捕は国際法に違反し、「海賊行為」に相当すると非難。中国外務省も、米国による最近の拿捕は重大な国際法違反であると述べた。

ただ、こうした中でLSEGのデータから、ベネズエラ国営石油会社PDVSAの主要合弁パートナーであるシェブロン(CVX.N), opens new tabが21日、米国の許可の下、自社タンカーでベネズエラ産原油50万バレルを積載し、米国メキシコ湾岸に向けて輸出したことが分かった。

ベネズエラのロドリゲス副大統領兼石油相は、ベネズエラはシェブロンへの(原油)引き渡しを中断していないと説明。監視データによると、シェブロンは今月、積荷が30─50万バレルのベネズエラ産原油を米国に7回輸出している。

PDVSAとベネズエラ石油省はコメント要請に応じていない。

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Marianna Parraga

Focused on energy-related sanctions, corruption and money laundering with 20 years of experience covering Latin America’s oil and gas industries. Born in Venezuela and based in Houston, she is author of the book “Oro Rojo” about Venezuela’s troubled state-run company PDVSA and Mom to three boys.

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