人間国宝2人 至高の芸披露 金沢・県立能楽堂

妻の夢枕に現れる平清経の亡霊を演じる友枝昭世さん(中)=金沢市の県立能楽堂で

 一流の演者を招く「いしかわ 名匠・能楽鑑賞会」が金沢市の県立能楽堂であり、いずれも人間国宝の和泉流狂言師の野村万作さん(94)、シテ方喜多流能楽師の友枝昭世(ともえだあきよ)さん(85)が至高の芸で満員の観客を魅了した。

 多彩なジャンルの舞台芸術を提供する県立音楽堂カルチャーナビシリーズの特別版。今回初めて県立能楽堂を舞台に企画され、19日に公演があった。

 野村さんは一人で演じる狂言「見物左衛門(けんぶつざえもん) 深草祭」を上演。祭りの見物に出かけた好奇心旺盛な男を生き生きと演じた。相撲を取る場面では力強く手を広げ、足を踏みならし、あおむけにひっくり返る動きもあった。友枝さんは能「清経 音取(ねとり)」で、源氏に追い込まれた末に自死した平清経の亡霊を演じた。夢の中で一目会いたいと願う妻と思いをぶつけ合うが、心がすれ違ったまま一人成仏する姿を熱演し、深い余韻を残した。(小室亜希子)

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