
側近の汚職事件で窮地に陥るゼレンスキー大統領(写真:Getty Images)
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アメリカのトランプ大統領に振り回され続けた世界。片や、実力未知数の高市政権に運命を託す日本。2026年はより大きな混乱に見舞われるのか。本特集では国内外の政治・マクロ経済を大胆予測する。
侵攻開始(2022年2月)から間もなく4年。戦局はロシア優位で推移し、25年12月にはウクライナ東部ドンバス地方の要衝ポクロウシクをほぼ陥落させた。
笹川平和財団の畔蒜泰助上席研究員によれば、ロシアはあと2年の継戦能力がある。しかもウクライナでは11月、ゼレンスキー大統領側近2人の汚職事件が発覚した。
後ろ盾となる欧州では、ウクライナ支援の財源としてロシアの凍結資産活用を議論していたが、欧州中央銀行などが強く反対し、実現は不透明になっている。
アメリカ仲介外交の行方
ウクライナの軍事力が先細る可能性がある中、ロシアには停戦を急ぐ理由がない。
長期化する戦争の中での注目点は、アメリカ仲介外交の行方だ。トランプ大統領は、対ロシア強硬派を抱える連邦議会と、譲歩を拒むプーチン大統領の間で板挟みとなっている。
当初は「一日も早い停戦」を求めたトランプ氏だが、プーチン氏はウクライナの非武装化や非ナチ化、領土問題などを念頭に長期戦を描いているため、一向に妥協の姿勢を見せない。

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