(CNN) オーストラリアのアルバニージー首相は、シドニーの観光名所ボンダイビーチで起きた銃撃事件を受け、国内に出回る銃器の数を減らすためとして、銃器の全国的な買い取り制度を導入すると発表した。

アルバニージー首相は19日、首都キャンベラで行われた記者会見で、余剰な銃器や新たに禁止された銃、違法な銃器を買い取る制度だと説明した。政府が買い取り制度の財源を確保するための法案を提出し、費用は州や準州と分担するという。

アルバニージー首相は「この制度によって、数十万丁の銃器を回収し、廃棄する」と語った。

買い取り制度では、州や準州が銃器の回収と所有者への支払いを担い、連邦警察が銃器を破壊する。

アルバニージー首相はまた、21日を「追悼の日」とし、ニューサウスウェールズ州およびオーストラリア政府のすべての庁舎で半旗を掲げると発表した。来年には国としての追悼の日を設ける意向も明らかにした。

銃撃事件を受けて行われた「パドルアウト」に参加したサーファーら=19日、豪シドニー/Mick Tsikas/AP
銃撃事件を受けて行われた「パドルアウト」に参加したサーファーら=19日、豪シドニー/Mick Tsikas/AP

一方、19日朝には数百人のサーファーがボンダイビーチの海に出て、襲撃事件の犠牲者と連帯し、恐怖や憎悪に抗議する意思を示す「パドルアウト」に参加した。

アルバニージー首相は、反ユダヤ主義的な攻撃の動機や手口の解明が続いており、国家安全保障委員会が事件後に6回会合を開いたと説明した。

アルバニージー首相によれば、情報機関から、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)からの定期的なオンライン動画配信を特定したという報告を受けた。これは、今回の襲撃がISISに触発されたものであることを裏付けるものだとしている。動機については当局がさらに調査を進めているという。

オーストラリアはすでに、世界有数の厳しい銃規制と、銃による殺人率の低さを誇る国のひとつ。約30年前、タスマニア州の観光名所で、半自動銃で武装した単独犯が35人を殺害した事件を受け、銃規制が強化されていた。

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