語り合い 名品親しむ 県美特別展 障害者向け鑑賞会

アート・コミュニケータ(左)とともに長谷川等伯「牧馬図屛風」を鑑賞する参加者=金沢市出羽町の県立美術館で

 金沢市出羽町の県立美術館で開催中の特別展「ひと、能登、アート。」(北陸中日新聞後援)を楽しんでもらおうと、障害者向けの対話型鑑賞会が17日朝、同館で開かれた。身体や精神に障害がある9人が、能登の復興支援のため集められた名品に親しんだ。

 開館前の時間に、ゆっくり作品を鑑賞してもらおうと県が主催した。東京芸術大が協力し、アートを介した対話を促すスタッフ「アート・コミュニケータ」が案内役を務めた。

 参加者は3班に分かれて展示室に入り、日本画や木彫などを眺め、感想や気づきを語り合った。七尾市出身の絵師長谷川等伯の「牧馬図屛風(ぼくばずびょうぶ)」(東京国立博物館蔵)の前では「風景と馬でタッチが違う。動物の動きがすごい」「ヒガンバナが咲いている。季節は秋かな」などと言葉を交わしていた。

 頸椎(けいつい)を損傷し、30年車いす生活を続ける橋本萬史(まんし)さん(70)=加賀市=は「イベントがあると美術館に行きやすい。対話でいろんな見方を知れてよかった」と笑顔。精神障害がある米田尚史さん(38)=金沢市=は「普段は他人の話し声が気になるが、少人数で集中して見ることができた。時間が限られていたので、もう少し見たかった」と話した。 (谷口大河)

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