病床稼働率の向上や経営改善を目指して、宮崎大学医学部附属病院が2026年4月から土曜を診療日とすることを発表した。連休などに病床稼働率が大きく落ち込むため、今年度の平均の稼働率は81.2%にとどまり、経営悪化の一因にもなっていた。代わりに木曜を休診日とするほか、勤務シフトを工夫することで、働き方改革や地域医療機関の体制に影響が出ないようにする。

 同病院の4~11月の平均病床稼働率は81.2%だが、曜日によってバラツキが大きい。10月下旬以降の稼働率をみると、火曜~木曜は90%前後に達するが、月曜と金曜は80%台前半にとどまり、土日は80%前後に低下する。3連休の中日だった11月2日には69.9%と7割を切った。

 物価や人件費の上昇で病院経営は厳しく、2025年度の医業収支はマイナス6億4000万円と、過去最大の赤字を見込んでいる。土曜診療によって、土日や連休時の稼働率低下を抑えて、平準化することで平均の稼働率を向上させる狙いがある。費用の増加を含めても、稼働率が1ポイント上がると年間約8000万円の収益改善になると試算している。

 2026年4月からは土曜の午前9時~正午の外来に初診枠を設定し、紹介状のある患者の初診を受け付ける。特殊な検査・技術・判断を要する患者に限って再診も受け付ける。平日の来院が難しい患者や付き添いの家族の都合に合わせることもできる。

 土曜の午前は診療を行うクリニックも多いため、そこで紹介が必要とされた患者を当日中に外来で受け入れることで、救急受診を抑制する狙いもある。土曜の新規入院やCT・MRI検査も実施する。

 一方、兼業先との調整が必要となる医師らに対しては、変形労働時間制や平日振替勤務によって調整を図る。勤務シフトの工夫で、医師派遣を受ける地域の医療機関への影響を防ぎたい考えだ。新たに木曜を休診とすることで、勤務時間や日数も調整する。

WACOCA: People, Life, Style.