【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:The American Presidency Project)

今から67年前の1958年12月19日。軌道上の人工衛星から送られた「録音音声」が地上で受信されました。届けられたのは、当時のアメリカ大統領ドワイト・D・アイゼンハワーによる、平和を願う短いメッセージです。今回は、この出来事を振り返ります。

 

アイゼンハワー大統領の肖像と、地球へ向けて電波を送る通信衛星SCOREのイメージ図(Project Score message)(Credit: Credit: U.S. Army illustration(Public Domain))【▲ アイゼンハワー大統領の肖像と、地球へ向けて電波を送る通信衛星SCOREのイメージ図(Project Score message)(Credit: Credit: U.S. Army illustration(Public Domain))】

大統領のメッセージを運んだのは、通信衛星「SCORE(Signal Communications by Orbiting Relay Equipment)」です。SCOREは1958年12月18日、フロリダ州ケープ・カナベラル(当時の空軍施設/現:宇宙軍基地)からアトラスB(Atlas B)ロケットで打ち上げられました。

SCOREは、地上局からの指令に応じて、搭載していたテープレコーダーの音声を再生して送信する方式を実証しました。大統領のメッセージは数日前に録音され、衛星側のレコーダーに収められていたとされています。再生は翌19日に行われ、最初の再生がうまくいかなかった後、2周目の軌道で地上へ送られたと記録されています。

そのメッセージは短いながらも、「軌道上から“声”を届けられる時代が始まったこと」、そして「世界に向けて平和と友好を願うこと」を伝えるものでした。

いま私たちは、宇宙から音声も映像もデータも当たり前のように受け取っています。けれど1958年の夜空は、まだ静かでした。その静けさを破って届いた「人の声」は、当時の人々にとって、未来がこちらへ近づいてくる音そのものだったのかもしれません。

メッセージ全文と音声

“This is the President of the United States speaking. Through the marvels of scientific advance, my voice is coming to you from a satellite circling in outer space. My message is a simple one. Through this unique means I convey to you and to all mankind America’s wish for peace on earth and good will to men everywhere.”

[訳]こちらはアメリカ合衆国大統領です。科学の進歩という驚くべき成果によって、宇宙空間を周回する衛星から私の声をお届けしています。私のメッセージは簡潔です。この特別な手段を通じて、皆さんと全人類へ、アメリカが願う「地上の平和」と「世界中の人々への善意」をお伝えします。

ーー米議会図書館より引用

(音声:Audio: Dwight D. Eisenhower “Christmas message … transmitted from space (SCORE)” (1958). Public domain (U.S. federal government work) / via Wikimedia Commons.)

 

編集/sorae編集部

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