オーストラリア・シドニー(CNN) オーストラリア・シドニーの観光地ボンダイビーチで14日、ユダヤ教の祭り「ハヌカ」の初日を祝っていたユダヤ人コミュニティーを狙ったテロ攻撃が起き、少なくとも15人が死亡した。
当時、アーチャー公園の芝生エリアには約1000人が集まっていた。午後6時47分ごろ、少なくとも2人の銃撃犯が発砲。パニックに陥った人たちが四方八方に逃げ惑った。
ニューサウスウェールズ州警察のラニオン本部長は15日の記者会見で、容疑者は父子だと明らかにした。父親(50)は現場で警察に射殺された。息子(24)は重体だが容体は安定しており、病院で治療を受けているという。警察は、ほかに関与した人物はいないとみている。
今回の事件は、約30年前に起きた銃乱射事件をきっかけに、世界でも最も厳しい部類に入る銃規制を導入したオーストラリアにとって、それ以降で最悪の銃乱射事件となった。
複数の死亡者を確認
ハヌカの行事が午後5時に始まる予定だったが、開始から2時間足らずで銃撃が始まり、少なくとも15人が死亡した。オーストラリア・ユダヤ人評議会の幹部はCNNに対し、犠牲者には12歳の少女とユダヤ教のラビ(宗教指導者)が含まれていると語った。
ユダヤ教団体チャバドによると、犠牲者のひとりはホロコースト(ユダヤ人大虐殺)生存者のアレックス・クレイトマン氏で、銃撃犯の銃弾から妻ラリサさんを守ろうとして死亡した。
フランス国籍の若者も死亡したと、フランスのマクロン大統領が明らかにした。
ニューサウスウェールズ州警察によると、ボンダイビーチ沿いを走るキャンベル・パレードで銃撃があったとの通報が、午後7時前に寄せられた。住民や観光客数百人が銃撃から逃れようと走り出し、慌てて靴を脱ぎ捨てる人も多かった。
ボンダイビーチ北側の岩場に座っていたベリンダ・クレメンスさんは、銃声を聞いた瞬間をこう振り返った。「花火のような音だった。人々がちりぢりに走り回っていたので、銃撃だとなんとなく分かった」
15日未明の時点で、40人が病院で治療を受けている。警察が明らかにした。警察は、会場には子どもや家族連れが多く参加していたとしている。
同州の州首相によると、犠牲者の年齢は10歳から87歳。

銃撃事件の現場に派遣された警官ら=14日、オーストラリア・シドニー/Nine Network/Seven Network/AUSTR/Reuters
英雄に称賛の声
ネット上で広く出回った動画のひとつでは、白いシャツを着た男性が銃撃犯の1人に体当たりして取り押さえ、銃を奪う様子が映っている。この行動はオーストラリア当局から称賛された。
ニューサウスウェールズ州のミンズ州首相は「この男性は真の英雄だ。彼の勇気のおかげで、今夜、多くの人の命が救われたことは疑いない」と語った。
警察は、キャンベル・パレードに駐車されていた車1台の周囲に立ち入り禁止区域を設定した。車には「複数の簡易爆発装置(IED)」が仕掛けられているとみていた。
爆発物処理班が車両の対応にあたり、警察はその後、爆発物が撤去されたと確認した。
警察は、容疑者の男が所有していた武器6丁を押収したと明らかにした。容疑者は「およそ10年間」銃所持の許可を持っていたが、その間に問題となる事案はなかったという。

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