(CNN) オーストラリア・シドニーのボンダイビーチで15人が死亡した銃撃事件で、現場に居合わせた男女2人が犯行前の銃撃犯に飛びかかって銃を奪おうとする姿をとらえた映像が16日、新たに浮上した。

ドライブレコーダーがとらえたこの映像は、中国のSNS「小紅書」に最初に投稿され、CNNが位置情報を確認した。映像では、ボンダイビーチに面した道路で車から出た銃撃犯の男に、紫色のシャツ姿の男性が飛びかかっている。そこへ女性が駆け寄っていた。

CNN提携局の9ニュースによると、これは銃撃が始まる前の出来事だった。CNNは、容疑者が銃撃を行った場所からは約25メートル離れていたことを確認した。

銃撃を阻止しようとした2人はボリス・ガーマンさん(69)と妻のソフィアさん(61)。ボンダイ在住のロシア系ユダヤ人の夫婦だった。9ニュースによれば、2人とも銃撃されて命を落とし、今回の事件の最初の犠牲者となった。

豪シドニーの銃撃事件で、犠牲者の追悼式典が行われる周囲を警備する警察官/Claudio Galdames Alarcon/Anadolu/Getty Images
豪シドニーの銃撃事件で、犠牲者の追悼式典が行われる周囲を警備する警察官/Claudio Galdames Alarcon/Anadolu/Getty Images

ドライブレコーダーの映像は、二つの角度から現場をとらえている。最初の映像には、ボリスさんが銃撃犯に飛びかかって銃をつかみ、2人とも地面に倒れる様子が映っていた。ボリスさんは銃を手に立ち上がった。近くには妻のソフィアさんが立っている。

車の後方を撮影するドライブレコーダーに映った別の映像には、黒い物を抱えて銃撃犯の方へ走るボリスさんが映っていた。銃撃犯の車のボンネットには、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の旗らしいものが見える。

映像の中でボリスさんは奪った銃をバットのように振り回しているが、銃撃犯は車から別の銃を取り出し、夫妻に向けて発砲した。

遺族は談話の中で、「本能的に、自分のことを考えずに人を助けようとする人たちだった」とガーマンさん夫妻をしのんだ。

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