オーストラリアのアンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)首相は12月7日、地元紙への寄稿文でこう述べた。

「ソーシャルメディア企業は、16歳未満の子どもが自社のプラットフォームを利用しないようにする責任がある。合理的な措置を講じて子どもを排除しなければ、オーストラリアの法律に違反したことになり、多額の罰金が科される。これらの企業には社会的責任があり、それはオーストラリアの子どもたちを守ることから始まる」

ノルウェーやデンマークの議員らも、15歳未満の子どもに対するソーシャルメディア・プラットフォームのサービス提供を禁じる法案を提案している。マレーシアでは、16歳未満の子どもがソーシャルメディアのアカウントを作成することを禁止する措置が、2026年に施行される予定だ。

こうした予防的な措置は、ソーシャルメディアが子どものメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、うつや不安、依存症などの懸念すべき症状を引き起こす可能性があることを示した近年の研究結果を受けたものとなっている。

ソーシャルメディアの利用は、子どもに悪影響を及ぼす可能性がある。ソーシャルメディアの利用は、子どもに悪影響を及ぼす可能性がある。Oscar Wong/Getty Images

世界保健機関(WHO)は2024年、44カ国の約28万人の若年層(10代前半)を対象に調査を実施し、回答者の11%に「ソーシャルメディア利用に問題行動の兆候が見られ、利用を自制できず、悪影響を受けている状態」が確認されたと報告した。

同年、アメリカの元公衆衛生局長官であるビベック・マーシー(Vivek Murthy)は、ソーシャルメディアの中毒性をたばこになぞらえ、メンタルヘルスの「緊急事態」に対処するため、アプリには警告表示を付けるべきだと主張した。

アルバニージー首相は、今回の禁止措置が、親と子どもがソーシャルメディア利用の現実について話し合うきっかけとなり、周囲からの同調圧力に対抗する助けになると述べた。

「これは、我が国がこれまで直面してきた社会的・文化的変化の中でも、最大級のものになる」と寄稿文で述べている。

米上院に「Kids Off Social Media Act」を提出

米上院の商業・科学・運輸委員会は、今年初めに「Kids Off Social Media Act(子どものソーシャルメディア利用を制限する法案)」を提出した。同法案の最初のバージョンは2024年に提出されたが、審議は進まなかった。

超党派の上院議員グループが提出したこの法案は、13歳未満の子どもがソーシャルメディア・プラットフォーム上でアカウントを作成または維持することを禁止する内容となっている。また、企業がアルゴリズムを用いて17歳未満の子どもに向けてコンテンツを配信することも禁じている。

同法案は、前述のシャッツ議員をはじめ、テキサス州選出のテッド・クルーズ(Ted Cruz)議員、コネティカット州のクリス・マーフィー(Chris Murphy)議員、アラバマ州のケイティ・ブリット(Katie Britt)議員らが共同で起草した。

ブリット議員はBusiness Insiderへの声明で、次のように述べている。

「Kids Off Social Media Actを成立させることは、巨大テック企業の行き過ぎを抑制し、子どもたちの命を守るための実効的な一歩となる。これらの企業が議会に及ぼしてきた強い影響力と、それに対して我々が十分な対応を取ってこなかった事実は到底看過できない」

この法案は上院で審議された後、採決に付される。可決された場合は下院でも審議され、最終的に大統領の署名を経て成立する。

一方でアメリカの議員らは、フェイスブック(Facebook)やインスタグラムを運営するメタ(Meta)をはじめとしたソーシャルメディア企業に対する法的措置も進めている。2023年には、アメリカの33州が、子どもに有害となり得る依存性の高いソーシャルメディア機能を意図的に設計したとして、メタを提訴した。

さらに2024年10月には、ニューヨーク市が、メタ、アルファベット(Alphabet)、スナップ、そしてTikTokの親会社であるバイトダンス(ByteDance)を相手取り、若者のメンタルヘルス危機を引き起こしたとして訴訟を起こしている。

訴状によると、「ニューヨーク市では近年、10代によるソーシャルメディア利用が、危険で致命的にさえなりかねない学校外での行動の急増と関連付けられている」という。

また、アメリカでは約20州が、授業開始から終了まで(bell-to-bell)、児童・生徒による携帯電話の使用を禁止している。さらに、10代がソーシャルメディアのアカウントを開設する際に、年齢確認や保護者の同意を義務付けている州もある。

シャッツ上院議員はBusiness Insiderへの声明で、「8歳や9歳の子どもがインスタグラムやTikTokを使う合理的な理由はない」と述べ、その上で、「企業が法によって基本的なルールの順守を義務付けられ、子どもから利益を得ることをやめない限り、彼らは儲けをさらに膨らませるだろう」と批判した。

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