歳末に日本各地で歌われるベートーベンの交響曲第9番(第九)。「再び歌い続けたい」と、今年2月に結成された「和歌山『第九』合唱団」の演奏会が27日に迫った。5日には指揮を務める澤和樹さん(70)が合唱団との合同練習に初めて臨み、この日参加した団員約70人を指導した。(佐竹廉)

本番に向けて練習する団員ら(和歌山市で)本番に向けて練習する団員ら(和歌山市で)

 同合唱団は、1972年から冬に第九を披露し、昨年末に活動に終止符を打った「県第九合唱団」の元団員有志らで構成。「第九に込められた自由や平等、友愛のメッセージを発信し続けたい」と再び集まり、新たな合唱団を結成した。

団員を指揮する澤さん団員を指揮する澤さん

 演奏会のタクトを振る澤さんは、和歌山市出身のバイオリニストで、東京芸術大の学長も務めた。また、当日に演奏を担うオーケストラ「千里フィルハーモニア・大阪」を20年以上にわたり常任指揮者として率いている。

 同市内で5日にあった合同練習で、合唱団員たちの歌声を聴いた澤さんは「全体的に素晴らしい」と評価。その上で、歌詞にあるドイツ語の発音や抑揚、リズム、音程などについて丁寧に指導した。

 さらに澤さんは、東西ドイツを分断した「ベルリンの壁」が崩壊した89年のクリスマスに行われた記念演奏会で、第九に登場する歌詞「歓喜」を「自由」と言い換えて歌われた例を紹介。第九に込められたメッセージ性を意識して歌うよう呼びかけた。

 西岡敦子団長は「複雑な気持ちで昨年の合唱を終えたので、(再開できて)本当に良かった」と喜び、澤さんは「分断が進んでいる今こそ、ベートーベンのメッセージは大切。素晴らしい演奏会になる」と話す。

 演奏会は同市の県民文化会館で午後2時から開演。第九のほか、モーツァルトの「フルート協奏曲第1番」も演奏する。チケットは指定席5000円(1階は完売)、自由席4000円、学生2000円。問い合わせは、和歌山「第九」合唱団(080・2065・2707)。

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