
2016年3月1日撮影。REUTERS/David Gray
[シドニー 9日 ロイター] – オーストラリア準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利を予想通り3.60%に据え置いた。インフレを巡るリスクが上方に傾いており、物価圧力の持続性を見極めるにはもう少し時間が必要だとした。ただ、利上げを急がない姿勢を示唆した。
国内需要が想定を上回る強さを示しており、生産能力への圧力が強まる可能性があるとも指摘した。
市場では、強い物価・消費統計を受け、今週の利下げの可能性はないとの見方が広がっていた。
ブロック総裁は会合後の記者会見で、理事会は利上げのケースについて明確には議論しなかったが、利上げが必要となりそうな状況については議論したと説明。「現時点で言えることは、当面利下げはないと思うということだ」と述べ、「問題なのはここから据え置きが続くのか、それとも利上げの可能性があるのか、ということだ。その確率については何とも言えない」とした。
声明は懸念されていたほどタカ派的ではなく、豪ドルは0.6620米ドルとほぼ横ばいで推移していが、ブロック総裁が追加利下げを否定したことを受けて、上昇に転じた。
豪ドルは0.3%高の0.6645米ドル。豪3年債利回りは、昨年11月以来の高水準となる4.152%まで11ベーシスポイント(bp)上昇した。
投資家は来年の利上げ時期見通しを前倒しし、2月の確率が28%、3月が50%近くとなった。来年は2回の利上げに相当する47bpの累計引き締め幅が見込まれている。
中銀は声明で「最近のデータはインフレリスクが上方に傾いていることを示唆しているが、インフレ圧力の持続性を見極めるにはもう少し時間がかかる」と指摘。「国内経済活動とインフレの見通し、金融政策がどの程度引き締め的であり続けるかを巡り不確実性がある」とした。
今年3回の利下げを実施したが、インフレ率は再び上昇傾向にあり、10月は3.8%に加速。コアインフレ率は3.3%と、中銀の目標レンジ(2─3%)を上回った。
インフレについては、「新たな月次消費者物価指数の数値がどの程度のシグナルをもたらすかは不透明」とし、「データはより広範なインフレ上昇の兆候を示唆しており、一部は持続する可能性があり、注視する必要がある」と警戒感を示した。
オックスフォード・エコノミクスの経済調査責任者、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は、来年の追加利下げの可能性を否定する一方、「中銀の姿勢は予想よりも穏やかだった。利上げを急いでいないことがうかがえる」と述べた。
オーストラリア経済は潜在成長率に近い速度で拡大している可能性があり、第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は企業、政府、消費者の支出に支えられて2年ぶりの大幅な伸びとなった。労働市場も底堅さを維持し、10月の失業率は前月の4.5%から4.3%に低下した。
長らく低迷していた消費者センチメントも上向き、個人消費の見通しを支えている。不動産価格は過去最高を更新し、住宅ローン増加率も加速、株式市場の堅調さも金融環境が以前ほど引き締まっていない可能性を示している。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のチーフエコノミスト、サリー・オールド氏は「今のところ、来年は金融政策が維持されると考えているが、1月7日と28日に発表されるインフレ指標が中銀の懸念を裏付けるものとなれば、2月は『(会合の時点で判断する)ライブミーティング』となる」と述べた。
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