
韓国経済人協会提供(c)news1
【12月09日 KOREA WAVE】韓国ではこの5年間、会社員の月給が緩やかに上昇する一方、所得税や社会保険料、さらには生活必需品の価格が急速に上昇し、「透明な財布」と言われるサラリーマンの負担が急増している。これにより、体感所得が減っているとの分析が示された。
韓国の経済団体である韓国経済人協会の12月4日の発表によると、2020年から2025年の5年間で会社員の月給は352万7000ウォン(約37万4035円)から415万4000ウォン(約44万0779円)へと年平均3.3%増加した。
一方、給料から天引きされる所得税と社会保険料の合計は44万8000ウォン(約4万7543円)から59万6000ウォン(約6万3246円)に増え、年平均5.9%の増加率となった。
その結果、給与のうち税金と保険料が占める割合は12.7%から14.3%に拡大し、会社員の実質的な手取り月収は307万9000ウォン(約32万6720円)から355万8000ウォン(約37万7554円)へと、年平均2.9%の増加にとどまった。
項目別に見ると、所得税(地方税含む)は13万1626ウォン(約1万3963円)から20万5138ウォン(約2万1802円)に、年平均9.3%増加。社会保険料は31万6630ウォン(約3万3585円)から39万579ウォン(約4万1583円)に、年平均4.3%上昇した。内訳では、雇用保険が5.8%、健康保険が5.1%、国民年金が3.3%ずつ上昇している。
また、電気・ガス、食料品、外食費などの必需品価格も体感所得を下げる要因となった。2020年から2025年の生活必需品の物価上昇率は年平均3.9%で、賃金上昇率を上回っている。とりわけ、水道光熱(6.1%)、食料・非酒類飲料(4.8%)、外食(4.4%)、交通(2.9%)、住宅(1.2%)といった項目で顕著に物価が上昇した。
調査対象の23品目のうち17品目が、賃金の上昇率を超える物価上昇を記録した。なかでも、その他燃料・エネルギー(10.6%)、ガス(7.8%)、電気(6.8%)といった光熱費は賃金の2倍以上の伸びを示した。果物(8.7%)、加工食品(5.0%)、外食サービス(4.4%)、畜産品(4.0%)なども高騰が続いた。
こうした状況に対し、韓国経済人協会は所得税や社会保険料、生活必需品価格全般への対策を講じ、実質所得の向上を図るべきだと主張している。
具体的には、物価に応じて所得税の課税標準区間を自動調整する「所得税物価連動制」の導入を提案した。現在は物価上昇によって月給が上がっても、課税基準にそれが反映されず、結果的に上位の課税区間が適用され、実質的に税率が引き上げられる構造になっているという。
ただ、物価連動制の導入には税収減の懸念もあるため、日本やオーストラリアのように所得税の非課税者比率を15%台に引き下げ、税基盤の拡大と並行して進めるべきとした。2023年時点で韓国の非課税者比率は33%に上っている。
また、社会保険制度については、失業給付の重複受給や健康保険の過剰診療を抑制し、年金支出構造の改革を通じて保険料率の引き上げを最小限に抑える努力が求められるとしている。
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