[バンコク/プノンペン 8日 ロイター] – タイはカンボジアとの国境沿いで空爆を開始したと、タイ軍が8日に発表した。

タイ陸軍によると、現地時間午前5時(日本時間午前7時)ごろに激化した新たな衝突で、少なくとも1人のタイ軍兵士が死亡し、8人が負傷。カンボジア軍の標的を攻撃するため航空支援を要請したという。

タイ空軍は、カンボジアが重火器を動員し、戦闘部隊を再配置し、軍事作戦をエスカレートさせる可能性のある支援部隊を準備したと指摘。「これらの動きが航空戦力の使用を促した」と声明で述べた。

一方、カンボジア国防省は声明で、タイ軍が数日間の挑発的な行動を経て、2カ所でカンボジア軍への早朝攻撃を開始したと指摘。カンボジア軍は報復していないと付け加えた。

カンボジアで影響力を持つフン・セン前首相は、タイ軍は報復反応を引き起こそうとする「侵略者」であるとし、カンボジア軍に自制を促した。

フェイスブックに「対応のレッドライン(越えてはならない一線)はすでに設定されている。全ての将校と兵士をそれに従って教育するよう、あらゆるレベルの司令官に求める」と述べた。

地元政府高官によると、これまでの戦闘で3人のカンボジア民間人が重傷を負った。

両国の間では7月、国境紛争地帯で5日間にわたって軍事衝突が起きたが、トランプ米大統領とマレーシアのアンワル首相が仲介し、停戦合意が成立した。トランプ氏は10月、マレーシアで両国間の停戦協定を拡大する調印式に立ち会っていた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)議長であるアンワル氏は、双方に最大限の自制と、オープンな意思疎通チャンネルを維持するよう求めた。

タイ軍によると、同国では国境の4地区で38万5000人以上の市民が避難している。

This map shows locations of military clashes along the disputed border between Thailand and Cambodia.This map shows locations of military clashes along the disputed border between Thailand and Cambodia.

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