ロシアのモルニヤ・ドローン。Ministry of Defense of Ukraine/Screengrab via Xロシアの中型攻撃ドローン「モルニヤ(Molniya)」は、小型ドローンを戦場に送り込んでいるとウクライナ兵が証言している。モルニヤは固定翼型で、一人称視点(FPV)のクアッドコプターを1機または2機搭載し、航空母艦のような役割を果たすことができる。この戦術により、ロシアのFPVドローンの飛行範囲が拡大している。
ロシアは、爆発物を搭載した小型ドローンを戦闘地域に送り込む際、中型ドローン用いている。それによって飛行距離が伸び、ウクライナ軍にとっては致命傷となりかねない新たな問題が生じている。
ウクライナ兵がBusiness Insiderに語ったところによると、ロシアは固定翼型のモルニヤ(ロシア語で「雷」の意)ドローンを用いて、小型の一人称視点(FPV)ドローンを運搬しているという。これらのFPVドローンは、現在戦場で支配的な存在となっているクアッドコプターである場合が多い。

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この戦術は目新しいものではないが、ウクライナ軍の懸念は高まっている。FPVドローンがより遠くの奥深い場所まで攻撃できるようになるからだ。ドローンを運搬する「航空母艦式」キャリアはこれまでも存在していたが、この目的でロシアがモルニヤを使い始めたのは、ごく最近になってからだと兵士らは述べている。
ウクライナの特殊作戦部隊である第4レンジャー連隊の兵士によると、モルニヤは安価ながら、1機から2機のFPVを戦場へ運ぶ航空母艦のような役割を果たし、FPVの飛行範囲を大幅に広げている。また、爆発物も搭載できるため、母艦としてだけでなく攻撃ドローンとしても機能する。つまり、搭載したFPVを投下した後も飛行を続け、標的を攻撃できる。さらに、モルニヤには破壊力の高い対戦車地雷を搭載することさえあるという。なお、取材に応じたこの兵士は、安全上の理由からコールサイン「フィジャク」(ウクライナ語で「捕食者・略奪者」の意)とだけ身元を明かした。
2025年2月8日、ウクライナ・ドニプロペトロフスク州の前線付近で撃墜されたロシアのモルニヤ・ドローン。Oleksandr Klymenko/REUTERS
「ロシア軍は、この安価なモルニヤを数多く保有しているため、いつでも好きなときに使うことができる」と、フィジャクは付け加えた。
Business Insiderはモルニヤ戦術についてロシア国防省と米国大使館にコメントを求めたが、いずれも応じなかった。
ウクライナ北東部ハルキウ州で活動するドローン部隊の指揮官が、安全上の理由から匿名を条件に語ったところによると、モルニヤは「使い捨て可能な中継機」であり、数十マイル飛行することもある。モルニヤから投下されたFPVは、その後、遠隔操作される。ロシア軍は前線の変動を利用し、数週間前からハルキウ州でこの戦術を実行し始めたという。
別のウクライナ兵も匿名を条件に語った。彼は、ロシアがこうしたモルニヤ・ドローンを大量に保有しているとは思っておらず、その脅威はまだ「実験段階」程度でしかないという。また、ウクライナにも、3機から4機の小型ドローンを搭載できる母艦型ドローンが存在すると語った。ただし、作戦上の安全を理由に、その運用範囲の詳細は明らかにしなかった。
FPVドローンとは、ウクライナの戦場で主力となっている小型のクアッドコプター型システムだ。Ukrinform/NurPhoto via Getty Images
ウクライナはこれまでにも、黒海で海上ドローンから小型のFPVクアッドコプターを発射し、ロシア占領下の油田プラットフォームを攻撃した事例を公表している。この海上ドローンは母艦としての役割を果たした。
今回、FPVを搭載したモルニヤが投入されたことは、戦場のイノベーションがさらに進んでいることを示しており、ドローンが現在の戦闘でますます支配的な役割を果たしている現状を浮き彫りにしている。
「戦争は変化している。毎日とは言わないが、1年ごとに、いや半年ごとには確実に変わる。ロシア軍は常に新たな戦術を試しており、それは我々も同じだ」とフィジャクは述べた。
ウクライナとロシアは、双方とも相手より先に新たな戦争技術を導入し、相手側が対抗策を編み出す前に優位を取ろうと、終始「猫とネズミの追いかけっこ」と形容される知恵比べを続けている。
「新たな戦争技術が登場しても、優位性を持続できる期間は限られており、相手側が対応策を見つけるまでのせいぜい数カ月程度にすぎない」と、ウクライナ国防省のイノベーション担当副大臣であり、かつてドローン部隊の司令官を務めたユリイ・ミロネンコ(Yurii Myronenko)中佐がBusiness Insiderに語った。
フィジャクによると、ロシアはドローンをより致命的なものに改良しており、「武器や装備も昼夜を問わず、毎日改良している」という。
11月初旬、ウクライナ国防省は、新たな防空ツールのひとつである迎撃ドローンが、戦場上空で複数のモルニヤを撃墜する様子を収めた映像を公開した。しかし、母艦としてFPVを搭載していたモルニヤを撃墜できたかどうかは不明だという。
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