
風船を飛ばす園児ら=滋賀県守山市で(中洲こども園提供)
埼玉県秩父市の民家に11月、滋賀県の園児たちが運動会で飛ばした風船が300キロ超の長旅の末、たどり着いた。風船を拾った柴崎一郎さん(83)に、園児たちからお礼の手紙が届いた。(長谷川和華)
滋賀県守山市の中洲こども園の0〜5歳児が11月1日、保護者とともにカラフルな風船150個を空に放った。柴崎さんが自宅の庭に落ちているのに気付いたのは同3日午後4時ごろ。紙の札が付いた六つの風船が絡まり、オレンジ色の風船一つだけが、ソフトボールより、やや大きめのサイズに膨らんでいた。札には、園の名前が書かれており、すぐに園に連絡。互いに感動を分かち合った。
園児たちは日本地図上で秩父市の場所を学び、柴崎さんから送られた風船の写真を見ながら、お礼の手紙を作成。風船形の画用紙に、柴崎さんの似顔絵や「ありがとう」などと思い思いにしたためた。「ママは山や海に落ちるかもと言っていたのでびっくりした」「楽しい気持ちで飛ばした風船が届いてうれしかった」と笑顔を見せていた。
柴崎さんは「風船が鈴鹿の山、南アルプスの山、さらに紅葉の秩父の山を越えてわが家の庭にたどり着いた。よくここまで来てくれた。快挙です」と風船の旅路をねぎらう。「この日は木枯らしが吹く寒い日でしたが、胸の熱くなるすてきな子どもたちの便りだと思った。元気が出ますよね」と喜んだ。「園児たちには夢を膨らませて頑張ってと伝えたい」と話した。

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