ロシア経済、ルーブル高に適応必要 輸出企業に逆風=経済相

写真はルーブル紙幣を持つ買い物客。2024年12月13日、ロシアのシベリア州オムスクで撮影 REUTERS/Alexey Malgavko

[モスクワ 2日 ロイター] – ロシア政府高官らは2日、通貨ルーブルが予想以上に上昇する見通しで、輸出関連の複数の主要プロジェクトが損失を被る可能性があり、ロシア経済の課題になるという認識を示した。

ロシア中央銀行の利上げやウクライナ和平への期待から、ルーブルは今年に入って対ドルで5割近く上昇。1ドル=77.5ルーブルで推移し、適正レートと一部で見なされる1ドル=100ルーブルに比べてルーブル高となっている。

レシェトニコフ経済発展相は、輸入や資本流出が抑制されているため、ルーブル高が続くと予想され、企業はそれに適応せざるを得ないと語った。

さらに、西側制裁に対抗して導入された設備機械の輸入代替措置もルーブル高の要因だと指摘し「新たな現実と共存する必要がある」と述べた。

ルーブル高は、ロシア経済を支える石油・ガスや金属、穀物といった輸出企業の収益を圧迫する要因となる。レシェトニコフ氏は、極東のガス・化学プラントや、バルト海沿岸のガス関連プラント、銅プロジェクトといった案件に影響が出かねないと指摘した。

ロシア中銀のナビウリナ総裁によると、輸出に関するルーブルでの決済比率が今年は57%程度で推移し、21年の14%から上昇。輸入のルーブル決済比率は55%程度という。

オレシュキン大統領経済顧問は、政府の輸入制限に加え、仮想通貨(暗号資産)が一部の輸入の支払いに充てられて外貨需要減の一因となっていると指摘。ロシア政府は9月、2026年の対ドルでの平均相場予測を92.2ルーブルと100.2ルーブルから下方修正した。ロシアの銀行VTBのアンドレイ・コスティン最高経営責任者(CEO)は「外貨需要の低下が顕著で、一般市民もドルでの貯蓄をやめている」と述べた。

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