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AFP

掲載日

2025年12月3日

ファッション業界の下請け現場における搾取的な労働環境をめぐる一連の調査がイタリアのラグジュアリー業界を揺るがし、政府は「メイド・イン・イタリー」への攻撃だとして非難している。

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ミラノ検察の捜査により、イタリアでも屈指の名門ブランドのサプライチェーンで労働者虐待や監督不備が明らかとなり、2024年以降、5つのファッションブランドが裁判所管理下に置かれている。

直近では、高級皮革メーカーのトッズの弁護士が水曜日にミラノの裁判所に出廷する予定で、検察は同社の「悪意ある」行為を踏まえ、広告活動の一時禁止と外部管理者の選任を求めている。

パオロ・ストラーリ検察官が率いる一連の捜査は、ラグジュアリー業界の暗部に光を当てている。

焦点となっているのは、ブランドがサプライヤーに業務を委託し、そのサプライヤーがさらに別業者へ再委託するという、いまやほぼ常態化した慣行だ。

これまでに、ロロ・ピアーナ、ディオールのイタリア子会社マニュファクチュール・ディオール、ジョルジオ・アルマーニ・オペレーションズ、アルヴィエロ・マルティーニが捜査対象となっており、検察は今後さらに捜査が拡大する可能性も示唆している。

イタリア政府は攻勢に転じ、アドルフォ・ウルソ産業相は、イタリアブランドの評判が「攻撃を受けている」と述べた。

政府は、ラグジュアリー企業が現行法に適合していることを示す認証制度を提案しているが、任意であるうえ、ブランドの法的責任を過度に免責しかねないとして「実効性に欠ける」との批判も上がっている。

「イタリアのファッションを断固として守り、その評判と、美しさ・品質・真正性の代名詞たる価値観を守るため、私たちは具体的な措置を講じています」とウルソ氏は10月に述べた。

検察は先月、革製ローファーが1,000ドル超に達するトッズと幹部3人について、中国の下請け業者による搾取を「十分に認識していた」にもかかわらず、それを防ぐ体制を整えていなかったと指摘した。

トッズは自社監査で、労働時間や賃金の違反(時給は最低で2.75ユーロにとどまる)、安全対策の不備、さらには工場内に検察が「劣悪」と形容する就寝スペースがあることまで判明していたにもかかわらず、それを無視したとされる。

イタリア法では、承認済みサプライヤーなど自社の利益のために行動する代理人が犯した違法行為について、企業が責任を問われる可能性がある。

ファッション産業の労働者を擁護する団体は、何十年にもわたりサプライチェーンにおける虐待の蔓延を指摘してきた。

イタリアのクリーン・クローズ・キャンペーンのナショナル・コーディネーター、デボラ・ルケッティ氏は「サプライヤーは、大手ブランドが押し付ける取引条件――まず、すべてのコストを賄えないほどの低価格――の前に、なすすべがありません」と述べた。

その結果、一次サプライヤーは下請けに仕事を回し、さらに厳しい条件を課すようになり、労働虐待、とりわけ移民に対する虐待へとつながっている。

「まさに搾取の連鎖です」と、同氏はAFPに語った。

イタリアのファッション系サプライヤーの多くは中小企業で、業界団体によれば、ラグジュアリー市場の低迷と生産コスト上昇のなか、近年は数万社が廃業に追い込まれているという。

委託元ブランドからの安定した仕事が見込めず、利幅も極端に薄いため投資に踏み切れず、サプライヤーは小規模のままにとどまる。大口の注文が舞い込むと、迅速な対応のため下請けに頼らざるを得ない。この仕組みが「サプライチェーンのプレーヤーに違法行為へと手を染めさせる実質的な誘因になっている」とルケッティ氏は語る。

検察によれば、トッズとロロ・ピアーナの両社が、主要サプライヤーの一つが生産をすべて外部に出していた事実を知らなかったはずはない。というのも、そのサプライヤーの施設にはミシンなどの生産設備が一切なかったからだ。

これまで捜査対象となった各社の対応は、サプライヤーとの関係を断つ、行為を非難する、虐待を隠蔽していたとしてサプライヤー側に責任を転嫁するなど、さまざまだ。

風評リスクが高まるなか、消費者の不安払拭に動くブランドもある。

先週、イタリアを代表するラグジュアリーブランドの一つであるプラダは、フィレンツェ郊外スカンディッチの工場に記者を招き、しなやかな革が高級ハンドバッグへと姿を変える工程を段階的に披露した。

この一連の捜査について問われ、プラダのチーフ・マーケティング・オフィサーで社会的責任(サステナビリティ)担当も務めるロレンツォ・ベルテッリ氏は、同社にとって生産は決して後回しにされてこなかったと語った。

また同氏は、他のファッション企業の経営陣の多くは生産を「自らの責任領域」と見なしておらず、「そのことが、皆さんが新聞で目にする多くの出来事を招いてきた」と指摘した。

プラダは自社生産比率を公表していないものの、業界で最も高いとしている。プラダは25の工場を所有し、そのうち23がイタリアにある。

ベルテッリ氏は、プラダのサプライチェーンをクリーンに保つことは「絶え間ない戦い」だと語る。

「私たちは常にサプライヤーの監査やチェックを実施しなければなりません。これが私たちの毎日の仕事です」。

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