【私と長嶋さん〈22〉】回天の島訪れ「英霊鎮魂」 山口・周南市との意外な縁/1

本州最西の地に長嶋茂雄さんの足跡が色濃く残る街があります。山口県周南市。徳山湾の沖合およそ10キロにある離島・大津島には、長嶋さんが揮毫(きごう)した石碑があります。10月、石碑のある「回天記念館」を訪れてみました。

長嶋さんと周南市の意外なつながり、全4回です。



プロ野球2025.12.03 06:00







































































































戦時の若者へ思いこもる直筆文字

海からの風が心地よい。暑さもだいぶ和らいだ10月のある日。JR徳山駅の新幹線口から歩ける距離に徳山港がある。船に乗り、およそ20分。大津島の馬島港に着いた。降り立つと大きな看板が目に入ってくる。

馬島港前に立つ看板

馬島港前に立つ看板

「ようこそ 回天の島 大津島へ」

太平洋戦争末期、大津島には人間魚雷「回天」の最初の訓練基地が置かれた。人間魚雷とは、大量の爆薬を搭載して人が直接操縦して敵艦に体当たりする特攻兵器。「天を回(めぐ)らし、戦局を逆転させる」という願いを込めて「回天」と命名された。

港から高台に向かい、10分ほど歩くと「回天記念館」が見えてきた。緑に囲まれた平屋の施設には「回天」搭乗員の遺書や遺品、関連資料などが展示されている。記念館の前庭には、実物と同じサイズの回天一型レプリカが展示されており、その対面したところに長嶋さんが揮毫した石碑があった。

回天記念館の前庭にある長嶋さんが揮毫した石碑

回天記念館の前庭にある長嶋さんが揮毫した石碑

「英霊鎮魂 巨人軍監督 長嶋茂雄」

蛇紋石に刻み込まれた直筆の字には、国や家族のために命をささげた若者への思いがこもっている。


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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。


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