(CNN) トランプ米政権がウクライナ紛争終結に向けた和平合意の締結を急ぐ中、トランプ大統領は自身の元ビジネスパートナーと娘婿をモスクワに派遣する。どちらも連邦議会の上院議員らによる承認は得ていない。
スティーブ・ウィトコフ特使とジャレッド・クシュナー氏は2日、ロシアのプーチン大統領と会談する予定だ。2人は、ウクライナへの侵攻によって戦争を開始したプーチン氏から戦争終結の同意を取り付けるべく尽力する。
ウィトコフ氏、クシュナー氏、ダン・ドリスコル陸軍長官、そしてマルコ・ルビオ国務長官が主導するウクライナ問題におけるトランプ氏の最新の取り組みは、型破りで時に物議を醸す外交手法を際立たせるものとなっている。
ウィトコフ氏とクシュナー氏は、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で停戦合意が成立した際に重要な仲介役を務めた。政権関係者によると、両氏がロシアとウクライナの紛争終結に向けた交渉の中心に据えられたのは中東での成功が理由だという。
ただウィトコフ氏とロシア政府との友好的な関係は、一部の提携国の間で懸念を呼んでいる。特にウィトコフ氏はこれまで、経験豊富な外交官の同席なしに、また時には米国側の記録係さえ同席させずにロシア高官と会談してきた経緯があるからだ。
トランプ氏自身も10月、プーチン氏とウィトコフ氏の以前の会談について、当初15分から20分程度と予想されていたものが終わってみれば5時間にも及んだと振り返っている。

2020年9月4日、米大統領の上級顧問(当時)としてホワイトハウスの会見に参加したジャレッド・クシュナー氏/Drew Angerer/Getty Images/File
一方のクシュナー氏は、この数週間のうちに米国代表団の一員としてウクライナ当局者との2度の高官級会談に同席。政権の外交努力における重要人物として再び浮上した。
クシュナー氏は米政府で正式な役職に就いておらず、ウィトコフ氏とパレスチナ自治区ガザ地区の停戦計画に関する交渉を行う中で改めて世間の注目を集めた。
ホワイトハウス関係者やクシュナー氏に近い関係者が主張するところによれば、同氏がロシア・ウクライナ問題に着手することが決定した特定のタイミングというものは存在せず、トランプ氏の就任以前から行ってきた仕事における自然な流れだったという。当時、クシュナー氏は大統領の政権移行プロセスにおいて、中東問題に関する政権関係者への助言に携わっていた。
クシュナー氏に近い情報筋はまた、トランプ氏がクシュナー氏には全幅の信頼を寄せていると説明する。そのような人物は、トランプ氏を取り巻く最高位の側近の中にさえもほとんどいないという。

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