
ネタニヤフ首相の出廷に際し、テルアビブの裁判所前で抗議活動を行う人たち。1日撮影(ロイター/アミール・コーエン)
[テルアビブ 1日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は1日、自身の汚職裁判を巡ってヘルツォグ大統領に恩赦を要請後、初めて出廷した。野党議員らが恩赦に反対姿勢を示す中、ヘルツォグ氏は同日、恩赦要請が議論を呼び、多数のイスラエル人を不安にさせていることを認めた上で「最も正確かつ厳密な方法で処理される」と強調した。「国家と社会の最善の利益のみを考慮する」とも表明した。
ネタニヤフ氏は2019年に贈賄、詐欺、背任の罪で起訴され、20年から裁判が始まった。ネタニヤフ氏は、自身の不正行為を繰り返し否定している。11月30日にネタニヤフ氏の弁護団が公表した書簡では、頻繁な出廷が首相としての職務執行に負担となっていると指摘し、恩赦は国益に資すると主張した。
野党は恩赦要請に反対。恩赦はネタニヤフ氏が政界を引退し、有罪を認めることを条件とすべきだとの議論や、総選挙を先に実施すべきだとの主張もある。21年にネタニヤフ氏を退陣に追い込んだベネット元首相はネタニヤフ氏が政界引退に同意すれば、裁判の終了を支持するとした。世論調査によると、22年に首相に復帰したネタニヤフ氏が退陣した場合、ベネット氏が次期政権を率いる可能性が最も高いとみられている。
イスラエルでは有罪が確定した後にのみ恩赦が認められており、公判中の恩赦発令は前例がない。
法廷の外では、ネタニヤフ氏の投獄を求めて抗議する人の姿が見られ、有罪を認めず責任も取らないまま恩赦を求めるのは許されないとの声も聞かれた。一方、イスラエルの右派連合の盟友らは恩赦要請を支持。トランプ米大統領もヘルツォグ氏に「政治的で不当な起訴」だとする書簡を送り、恩赦を検討するよう求めている。
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