(CNN) ベネズエラのマドゥロ大統領が11月30日、首都カラカスで公の場に姿を見せた。米国との緊張が高まる中で国外逃亡したのではないかとの国内の臆測に終止符が打たれた。
マドゥロ氏は通常、週に数回、国内のテレビに登場するが、26日に自身のテレグラムチャンネルにカラカス市内を運転する動画を投稿して以降、公の場に姿を見せていなかった。このため、その所在をめぐり臆測を呼んでいた。
マドゥロ氏は30日、カラカスで開かれた毎年恒例のスペシャルティーコーヒーの表彰イベントに出席。観客の前に姿を見せて、生産者にメダルを授与した。マドゥロ氏はさまざまなコーヒーを飲みながら短い発言を行ったが、国内の危機的状況には言及しなかった。
マドゥロ氏は式典の最後にベネズエラ経済について語りつつ、ベネズエラについて「破壊できず、手出しできず、打ち負かすことはできない」と語った。
こうした発言は、麻薬密売撲滅の一環として10隻以上の艦艇と約1万5000人の兵士を同地域に展開している米国との緊張を示唆するものとみられる。ベネズエラ政府は、こうした米国の動きについて、マドゥロ氏を退陣に追い込むための試みだとみている。
マドゥロ氏がイベントに姿を見せたのは、米国のトランプ大統領がマドゥロ氏と電話協議を行ったことを認めた直後だった。トランプ氏は大統領専用機内で記者団に対し、電話協議が行われたかどうか問われ、「コメントしたくないが、答えはイエスだ」と述べ、「良かったとも悪かったとも言えない。ただの電話会談だった」と話した。
マドゥロ氏と政権幹部は、この電話協議についてコメントしていない。
ベネズエラのロドリゲス国会議長は30日、記者会見で、電話協議への言及を避け、それは記者会見の目的ではないと指摘した。会見は、カリブ海で米軍が麻薬船とみなす船舶を攻撃し、80人以上が死亡した件についての調査に関するものだった。
トランプ氏はここ数日、麻薬密売ネットワークへの地上攻撃が「まもなく」行われる可能性があると言及し、航空会社や操縦士、犯罪組織に対してベネズエラ領空を避けるよう警告するなど、マドゥロ政権への圧力を強めている。
ただし、トランプ氏は30日、大統領専用機内で、領空に関する警告は空爆の前触れではないと記者団に語り、「深読みする必要はない」と述べ、ベネズエラはあまり友好的な国とは考えていないので警告したと言い添えた。

マラカイボ湖にある石油ポンプ場=2023年、ベネズエラ・スリア州/Gaby Oraa/Bloomberg/Getty Images
米国はベネズエラの石油を狙っている
緊張が高まるなか、マドゥロ氏は石油輸出国機構(OPEC)のガイス事務局長宛てに書簡を送り、米国が武力でベネズエラの原油備蓄を奪おうとしていると非難した。
マドゥロ氏は書簡で、米国がベネズエラに対して「絶え間なく、繰り返し、明白な脅迫」を加えており、「ベネズエラの石油生産と国際市場の安定を深刻に危険にさらしている」と非難した。ベネズエラは世界最大級の石油埋蔵量を持つとされる。
CNNはこの書簡についてホワイトハウスにコメントを求めている。
米国務省はこれまで、こうした主張に反論してきた。コロンビアのペトロ大統領がCNNの単独取材で、トランプ氏のベネズエラにおける関心は麻薬密売ではなく石油だと語ったことに対して、米国務省は「カリブ海域における麻薬対策と、マドゥロ政権の猛毒から米国民を守るというコミットメントは揺るぎない」と述べていた。

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