世界で今年、最も好調な株式市場上位20のうち、半数は欧州勢となっている。

  欧州勢が過去にこうした好パフォーマンスを成し遂げたのは1999年のユーロ圏創設以降3回しかない。域内の成長見通しがようやく改善し、投資家の信頼が戻ってきたことを示している。ストラテジストの大多数は今年について、米経済がウォール街の優位性を支える一方、欧州の株価上昇は限定的にとどまると予想していたため、予想外の展開だ。

  2025年の取引も残り1カ月の時点で、ハンガリーやチェコ、スロベニアの市場はドル建てベースで60%強上昇し、世界の上位10市場に入っている。スペイン、ポーランド、オーストリアもこれに続き、域内最大の市場であるドイツはユーロ建てベースで20%、ドル建てベースで34%上昇している。

  ストックス欧州600指数が米S&P500種株価指数との比較で、ドル建てベースで06年以来の大幅アウトパフォームに迫り、欧州の見通しは一段と明るくなっていると投資家の一部はみている。欧州では米国よりインフレ率が低く、ドイツは財政出動に踏み切ろうとしており、企業収益も回復に向かう見通しだ。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)は最新の月次調査で、投資家が欧州株をネットベースでオーバーウエートとし、米国株をややアンダーウエートとしていると指摘した。

  BofAの国際株式トレーディング責任者、ニック・ロークス氏は「年初には、欧州の株価上昇に対して人々は非常に懐疑的だったが、相場が予想よりも好調だったことで、その流れに乗らざるを得なくなった」とし、来年も欧州がさらにアウトパフォームする余地があるとの見方を示した。

  トランプ米大統領の貿易戦争で揺れた今年、イタリアやスペインなど収益の大半を国内で稼ぐ欧州諸国が投資家に選好された。米国で再びテクノロジーバブルが懸念され、人工知能(AI)関連へのエクスポージャーが相対的に小さいことも欧州の魅力を高めている。

  年間の上昇率が最も高い世界の20市場のうち10市場が欧州で占められたのは、ユーロ圏創設以降のデータで04年、15年、23年に続く快挙だ。ドイツとフランスの主要指数は順位こそそれぞれ34位と53位とやや低いものの、S&P500種はブルームバーグが追跡する世界92指数の中でドル建てベース63位にとどまり、独仏が大きく上回っている。

  欧州の好調なパフォーマンスの一因は、ユーロ高にある。ユーロは今年、対米ドルで12%上昇しており、これはドイツが国防やインフラに多額の資金を投じると表明し、地域経済の回復を後押ししたことが背景にある。

  ブルームバーグは11月28日、ドイツ議会が今後数日以内にドローンやライフル、ミサイルなどの軍事調達契約に29億ユーロ(5250億円)を支出することを承認する見通しで、これらの契約の大半は国内メーカーに発注される予定だと報じた。

  また、インフレ率が目標レンジ内に収まってきたことで、欧州中央銀行(ECB)は米連邦準備制度よりも早く利下げに踏み切ることが可能になっている。一方、米ドルは下落しており、その背景にはトランプ氏による関税措置が「米国例外主義」の終わりへの懸念を喚起していることがある。

原題:Global Stock Leaderboards Are Ruled by Europe in Rare Dominance(抜粋)

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