クマの出没が相次ぐ中、速やかな対応に向けて、狩猟免許を持つ自治体の職員いわゆる「ガバメントハンター」が注目されています。
県内では現在、上市町でのみ活動しています。その仕事ぶりとは。

上市町の財務課で働く木原 剛さん(45)。
普段は町の道路や河川などの管理を行っていますが…

◆上市町財務課 木原 剛さん
「まずは、直属の上司に断りを入れて、出動します」

向かったのは木原さんのデスクから歩いて20秒ほどの町役場1階の部屋。
身に着けるのはオレンジ色のベストと帽子です。

◆木原 剛さん
「これは鉄砲を入れる袋。パトロールや緊急捕獲、銃猟に向かう」

木原さんは、狩猟免許を持つ上市町の「ガバメントハンター」です。

県内の自治体で唯一 上市町の「ガバメントハンター」

今年は上市町でもクマの出没が多発しています。
この秋からスタートした緊急銃猟の許可が町で初めて出された今月19日、木原さんは役場で保管されている銃を手に、現場に駆け付けました。

町の職員で狩猟免許を持つのは現在7人です。県内の自治体では唯一のガバメントハンターです。

◆木原 剛さん
「まずは先発隊として所管の部署が行き、そこから応援要請がくる。頻度は例年に比べて多い」

ガバメントハンターのメリットはクマの駆除までの流れがスムーズになったことです。

これまではクマの出没や被害が報告されると猟友会のハンターが現場を確認。その後、行政が駆除が必要と判断した場合、改めて猟友会に依頼していました。

一方、ガバメントハンターは自治体の職員なので現場で判断ができ、駆除を速やかに進めることができます。

◆木原 剛さん
「現地に到着できるスピードが格段に違う。ハンターが仕事で遠いところに行ったりするときに私たちが初動体制を確立できたら住民の安全確保が早くなるメリットがある」

突然の出動要請により、財務課の業務を別の人に頼む場合もありますが、木原さんの現在の上司はガバメントハンター経験者なので心強いと言います。

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