英国のリーブス財務相は26日、秋季予算案を発表した。英予算責任局(OBR)によると、この予算案の下での主要な財政規則に対する余裕は220億ポンド(約4兆5500億円)と、3月に発表された99億ポンドから拡大した。
この財政の余裕は2022年3月以来の大きさで、ブルームバーグ調査の予想中央値の150億ポンドを大きく上回った。261億ポンドの増税を受けたもので、その大部分は、所得税の課税基準額の3年間凍結による。ギャンブルや高級不動産に対する新税なども寄与する。

この予算案は、スターマー政権がコストを抑制し、英国を停滞のサイクルから脱却させるために厳しい選択を行うと見込んでいた人々には、期待外れとなった。主要な増税は後ろ倒しされ、所得税の課税基準額の凍結で、推定170万人以上がより高い税率の対象となることも、投資家の失望を呼んだ。
ピール・ハントのチーフエコノミスト、カラム・ピッカリング氏は、「この予算は、低迷する成長、低い信頼感、歪んだ税制によって資金調達されている、肥大化した公共部門に真剣に取り組むものではない」と述べた。
OBRは同日、リーブス氏が議会演説を終えるまで伏せられるはずの報告を、誤って演説前に公表した。このため、報告の中身をトレーダーが吟味する中で、相場は乱高下した。英10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.47%となった。ポンドは上昇した。
成長促進に寄与しない
財政の余裕が予想以上に拡大した一方、OBRは、予算で発表された主要な税制・財政政策は、全体として英国の成長にほとんど影響を与えないと判断した。増税が経済活動を抑制すると予想されていたリーブス氏にとっては安心材料だが、政府が最優先課題と位置づける成長促進にはほとんど寄与しない。

予算案発表日の恒例となっている赤いかばんを掲げるリーブス財務相(26日、ロンドンの財務相公邸前で)
Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg
OBRの報告によると、政府は価値が200万ポンドを超える高級不動産に追加的な税を課し、不動産や貯蓄に対する課税率を2ポイント引き上げる。
また、年2000ポンドを超える給与天引きの年金口座への支払いは、国民保険料の支払い対象となる。電気自動車(EV)への走行距離に応じた課税も2028年から導入する。
法人税の控除枠も縮小し、15億ポンドの増収を見込んでいる。
OBRは向こう2年間のインフレ率見通しについて、3月時点の予測からそれぞれ0.5ポイント前後引き上げた。この修正を受け、英2年債利回りはおよそ2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。
OBRは26日、予定より早く公表された報告が本物であることを認め、この報告へのリンクが「時間よりも前に」ウェブサイトに掲載されてしまったと説明した。OBRは過失を謝罪し、原因について調査を始めたとしている。

英国のリーブス財務相は26日、秋季予算案を発表した
Source: Bloomberg
原題:Reeves Secures Larger Fiscal Buffer in Budget Released Early (1)(抜粋)
— 取材協力 Tom Rees, Joe Mayes and Alex Wickham
(市場の動きなど、最新情報を加え更新します)

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