練習後に取材に応じる千葉・米倉
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 明治安田J2リーグは上位4チームに自動昇格の可能性が残る大混戦で29日に最終節を迎える。17年ぶりのJ1復帰を目指す千葉は自動昇格圏の2位・水戸と勝ち点1差の3位。首位・長崎とは3差で優勝の可能性もある。自動昇格は他力となるが、元日本代表DF米倉恒貴(37)はホームの今治戦で17年前の“フクアリの奇跡”の再現を誓った。

 17年前の光景は今でも頭に焼き付いている。今治戦に向け千葉市内で練習を終えた米倉は「勝つだけ。他は何も考える必要はない。追う方が強い」と強調した。自動昇格は同時刻に開催される徳島―長崎、水戸―大分の結果次第となるが「過去にはフクアリの奇跡もあった。今回もいいことが起きると思う。フクアリの奇跡を覚えているサポーターも多いと思うので、みんながそのテンションで一つになれば何か起きると信じている」と視線を上げた。

 “フクアリの奇跡”とは08年J1最終節のFC東京戦。残留には勝利と、磐田、東京Vの敗戦が条件だった。その中で0―2から4―2にひっくり返し、磐田、東京Vがともに敗れて奇跡的に残留を果たした。その一戦は今でもサポーターの間で語り継がれる伝説となっている。

 今回の今治戦も17年前同様、満員のサポーターがスタジアムを埋める見通し。17年前も千葉に在籍していた米倉は「残留を決めた時の雰囲気は凄いものがあった。今回も起きるでしょ、起こすでしょ」とイメージを膨らませた。

 ▽フクアリの奇跡 08年12月6日のJ1最終節で千葉はホームでFC東京と対戦。前節を終えて残留圏の15位・磐田と勝ち点2差の17位。残留にはFC東京に勝ち、磐田と16位の東京Vが敗れることが条件だった。後半8分までに0―2となったが、同29分から7分間で3点を奪って逆転に成功。最終的に4―2で勝利し、磐田が大宮に0―1、東京Vが川崎Fに0―2で敗れたため奇跡の残留を果たした。

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