24日の外国為替市場で韓国ウォンがドルに対し4月以来の安値を付け、注目される水準に接近した。韓国銀行(中央銀行)の政策判断を週内に控え、国内勢の海外投資増加でウォンに売り圧力が強まっている。
ウォンは一時0.5%安の1ドル=1479.40ウォンに下落し、貿易戦争の不安がピークだった4月9日以来の安値。新興国通貨の大半が今年はドルに対して上昇しているが、ウォンは下落で1年を終えそうな様相だ。

高いリスク志向で知られる韓国投資家の資金はここ数カ月、レバレッジ型上場投資信託(ETF)に向かっており、業績を伸ばしているテクノロジー銘柄の株価に連動する米上場ETFなどが人気だ。こうしたETFの人気化は世界的なトレンドだが、海外投資が資産を築く近道と見なされることの多い韓国ほどの熱狂ぶりは、他国ではほとんど見られない。
シティグループのストラテジストによると、ウォンは国民年金公団(NPS)のドル売りを誘発する可能性がある水準に近づいている。シティは以前、NPSがドル売りを開始する水準を1ドル=1480ウォン付近と予想、同水準に到達すれば最大500億ドル(約7兆8500億円)規模のドル売りが発生する可能性があると指摘していた。
韓国の企画財政省は24日、政府と韓国銀行、NPSの3者で協議体を設立し、為替市場の安定とNPSの収益性を両立させることを含む措置を検討していると発表した。

ナインティー・ワンのポートフォリオマネジャー、ワイ・キアット・ソー氏は、最近のウォン安のペースは2024年10月から12月の下落局面に似ていると指摘。当時はNPSがドル売りに踏み切った。
ただし、今回はドルの上昇圧力があまり大きくないため、当局にとってより懸念すべき状況かもしれないと同氏は述べた。
NPSはコメントを控えた。
原題:Korean Won Approaches Dollar-Sale Trigger Zone Before Rate Call(抜粋)

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