
20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は22日、南アフリカのヨハネスブルクで開幕し、気候変動危機など課題への対処を盛り込んだ首脳宣言を採択した。代表撮影(2025年 ロイター)
[ヨハネスブルク/ワシントン 22日 ロイター] – 20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は22日、南アフリカのヨハネスブルクで開幕し、気候変動危機など課題への対処を盛り込んだ首脳宣言を採択した。不参加だった米国の意見は反映されておらず、ホワイトハウス当局者は南アが議長国の立場を悪用していると非難した。
サミットの議長を務めるラマポーザ南ア大統領は、首脳宣言には「圧倒的な合意」があったと述べていたが、南アフリカ当局者によると、アルゼンチンは草案を採択する直前に交渉から離脱した。
アルゼンチンのキルノ外相はサミットで、「アルゼンチンは首脳宣言を承認できないが、G20創設以来の協調の精神には引き続き完全にコミットしている」と表明した。
キルノ氏は首脳宣言の地政学的な課題への言及に懸念を示し、「特に長年にわたる中東における紛争への言及は、その複雑さを十分に捉えていない」と述べた。首脳宣言は中東の紛争に1度だけ触れ、パレスチナ占領地での公正で包括的かつ永続的な平和に向けて加盟国が努力することをうたっている。
首脳宣言は気候変動の深刻さと適応の必要性を強調し、再生可能エネルギー促進に向けた野心的な目標を評価した。また貧困国が抱える過重な債務返済負担にも言及した。
関係筋によると、首脳宣言の草案は米国の関与なしにまとめられた。ホワイトハウスのケリー報道官は「米国の一貫した強い反対にもかかわらず南アは首脳宣言の発表を強行した。これは同国が議長国としての立場を悪用し、G20の創設原則を損なっていることを浮き彫りにした」と非難した。トランプ氏は米国が輪番議長国を務める来年、G20の「正統性を回復する」ことを期待しているとした。
トランプ政権の高官は同日、「G20では合意に基づく文書のみを公表するのが長年の慣行だ。南ア政府がこの標準的な慣行から逸脱しようとしているのは恥ずべきことだ」と批判した。
トランプ氏は南ア政府が少数派の白人迫害していると主張し、サミットへの参加をボイコットした。
ラマポーザ氏は開会の辞で、「アフリカ初のG20議長国としての価値、地位、影響力を損なうことは決して許されない」と強調した。
南アのラモラ外相は国営放送SABCに対し、「今回のG20は米国のための場ではない。われわれは皆、G20の対等な一員だ」と指摘し、「決定を下す必要があり、ここにいるわれわれが世界の進むべき方向がこれであると決定したのだ」と語った。
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