(CNN) タイで開催された今年のミス・ユニバースで、メキシコ代表のファティマ・ボッシュさん(25)が優勝を果たした。今大会では事前のミーティングで現地の運営責任者がボッシュさんを公然と叱責(しっせき)する事態が発生。ボッシュさんを含む複数の出場者がその場から退席して抗議の意思を表明するなど物議を醸していた。
人道支援やボランティア活動に携わるボッシュさんは、昨年の優勝者であるデンマークのビクトリア・ケアー・タイルヴィグさんから王冠を授与された。

水着ラウンドでステージに登場するボッシュさん/Rungroj Yongrit/EPA/Shutterstock via CNN Newsource
準優勝は地元タイのプラビーナール・シンさん。この他トップ5にはベネズエラのステファニー・アバサリさん、フィリピンのアハティサ・マナロさん、コートジボワールのオリビア・ヤセさんが名を連ねた。
大会には120カ国から代表者が参加。ナディーン・アユーブさんはパレスチナ人代表として大会初参加を果たし、準決勝に進出した30名にまで残ったもののそこで敗退した。21日の決勝は米国のコメディアン、スティーブ・バーンが司会を務め、タイの歌手ジェフ・サターのパフォーマンスで幕を開けた。
水着ラウンドの後、上位30人の出場者は12人に絞り込まれ、さらに夜のラウンドを経て5人に絞り込まれた。

パレスチナ人代表として初めて大会に出場したナディーン・アユーブさん/Lillian Suwanrumpha/AFP/Getty Images
決勝進出者には、国連総会でどのような地球規模の問題についてスピーチをしたいか、ミス・ユニバースというプラットフォームをどのように活用して若い女性をエンパワーメント(力を高めること)したいかといった質問が投げかけられた。
「自分らしくあることの力を信じてください」とボッシュさんは語った。「あなたの夢は大切です。あなたの心は大切です。他人のせいで自分の価値を疑うようなことは、決してあってはならない」
コンテストは3週間にわたって行われ、出場者たちはリハーサルやイベントへの参加のために国内各地を回った。

国を象徴する衣装で登場する米国代表のオードリー・エッカートさん/Sakchai Lalit/AP
4日にライブ配信された動画には、ミーティング中に大会を運営するナワット・イサラクライシット氏が、ボッシュさんを叱責する様子が映し出された。
この中でナワット氏は、ボッシュさんが開催国タイのプロモーション活動を十分に行っていないと非難。メキシコ代表のコンテスト事務局長がプロモーション活動を妨害するようボッシュさんに指示したと示唆し、ボッシュさんがその指示に従うなら「愚か者」だと述べたとみられる。ナワット氏はこの発言を否定し、実際にはボッシュさんが損害を与えたことを非難したのだと主張している。
ボッシュさんが侮辱に反論すると、ナワット氏は「発言の機会は与えていない」と述べて、黙らせようとした。そして警備員を呼び、ボッシュさんを部屋から連れ出した。すると、他の出場者たちも立ち上がり、連帯を示すように退場した。これに対しナワット氏は、着席しなければ脱落させると脅した。
ナワット氏は後に出場者たちに公に謝罪したが、同氏の行動は世界中から即座に非難を浴びた。メキシコのシェインバウム大統領もこれを「攻撃的」な行為と表明。ボッシュさんは「尊厳」をもって対処したとの認識を示した。この事案が明るみに出たことで、ボッシュさんには大会のファンの人気が集まっていた。

華やかな衣装に身を包んだスペイン代表のアンドレア・バレロさん/Lillian Suwanrumpha/AFP/Getty Images
一方、優勝者が決定する数日前には、審査員2人が突然辞退を表明している。そのうちの1人は、大会が不正に操作されたと非難した。
作曲家のオマール・ハーフーシュ氏は、8人からなる審査員団を辞退したとインスタグラムで発表。決勝に先立ち、秘密裏に「即席」の審査員団が上位30名を選出していたと主張した。
ハーフーシュ氏は声明で、「人々やテレビカメラの前に立ち、実際には自分が参加していない投票を正当化することなどできなかった」と述べた。

今年のミス・ユニバースは、事前のミーティングでの言動で運営責任者が謝罪するスキャンダルに見舞われた/Chalinee Thirasupa/Reuters
ミス・ユニバース・オーガニゼーション(MUO)はハーフーシュ氏の非難について、審査プロセスを「誤解している」と反論。即席の審査員や決勝進出者を選ぶ権限を持つ外部団体は存在しないと主張し、「全ての審査は確立された透明性と監督体制を備えたMUOのプロトコルに従って実施される」と述べた。
MUOはCNNのコメント要請に応じなかった。
もう1人の審査員であるサッカーの元フランス代表、クロード・マケレレ氏も同日、「予期せぬ個人的な理由」から辞退を表明した。
マケレレ氏はインスタグラムで、「ミス・ユニバースを高く評価している」と述べた。
来年のミス・ユニバースはプエルトリコで開催される。
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原文タイトル:Mexico’s Fatima Bosch crowned Miss Universe winner in glittering finale of scandal-hit pageant(抄訳)

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