2021年の夏、50歳で芸能界の活動を休止し、カナダのバンクーバーへ単身留学した光浦靖子さん。カナダでの留学1年目のことを綴ったエッセイ本『ようやくカナダに行きまして』に続いて、ワークパーミット(労働許可証)獲得を目指して入学したカレッジでの奮闘ぶりを綴る『ようやくカレッジに行きまして』が発売されました。光浦さんが通ったのは料理の専門学校で、厳しいシェフたちの指導の元、年齢や国籍の違うクラスメイトたちと泣き笑いしながら、働く上での大切なことを学んだと話します。カナダでの暮らしも5年目、カナダで、これまでの経験を生かした活動を行う光浦さんの今とこれからを伺いました。

留学5年め光浦靖子がカナダ現地校で得た思わぬ経験「生き生きと暮らせる環境は自分でつくる」_img0

 

光浦靖子 Yasuko Mitsuura

1971年生まれ。愛知県出身。幼馴染の大久保佳代子と「オアシズ」を結成。国民的バラエティー番組「めちゃ×2イケてるっ!」のレギュラーなどで活躍。文筆家、手芸作家としても活躍し、著書にエッセイ『50歳になりまして』、『ようやくカナダに行きまして』、最新刊『ようやくカレッジに行きまして』、また、手芸作品集『靖子の夢』『私が作って私がときめく自家発電ブローチ集』など多数。2021年、単身カナダに留学し、現在、5年目を満喫中。

 

 


辛いから、助け合うしかないんです


――カナダでの学校生活を描いた2冊目のエッセイを読ませていただきました。前回はカナダに行って、語学学校に通いながら新しい世界と遭遇していく冒険記でしたが、今作は料理学校というひとつの舞台で、次々に現れる厳しいシェフとそれに立ち向かうクラスメイトとの奮闘記となっていて、とてもハードな学校生活だったことが伺えました。

光浦靖子さん(以下、光浦):2年間通うと、最終的にはフレンチのフルコースを一人で作れるようになるくらいの本格的な学校なんです。料理はもともと嫌いではないし、いつかカフェを開きたいという夢もあるので、そんな未来を見据えての料理の勉強でもありました。だけど、とにかくすごいスパルタで、この2年間は本当に疲れましたね。学校は週4日で、金土日が休みなはずなのに、2日は課題で潰れるでしょ。そうすると1日しか休みになるフリーデーがないのですが、それも疲れて寝てるか、どこかに出かけたら、また月曜の朝からヘトヘトで、プライベートのことは何もできませんでした。

――しかも留学2年目、まだ英語もままならない中で学ぶ本格的な料理の実技は大変だったかと思います。

光浦:インターナショナルクラスの生徒たちは私以外にもあんまり英語ができない人はいて、シェフの言ってることが聞き取れないときがあるんです。それで英語がわからない者同士、「なんつった? なんつった?」って聞き直すもんだから、ブチギレるシェフがいっぱいいました。前半のブロックは実習の内容もまだ難しくないから先生も比較的優しいのですが、後半の方が厳しくて、すっごい怒る意地悪なシェフもいて、そのシェフに習う1ヶ月間が本当に地獄で、嫌で嫌で。それは私だけじゃなくて、クラスメイトのみんなも辛いから、助け合うしかないんです。

――しかも理不尽な怒られ方も多かったとか。それを乗り越えられた原動力は何でしたか?

光浦:うちのクラスは基本、ワークパーミットをほしくて通っている人たちがほとんどだったんです。そのために高い授業料を払って通っているわけで、ドロップアウトはいつだってできるんだけど、お金と時間が無駄になるし、辞めたら国にいられるビザがなくなるし、それだけにみんな必死に通っていた感じです。それと、この学校にいる限り週20時間は働けるので、学校に行きながら仕事もできたんですよ。私も在学中に、一度だけ、試しに手芸のワークショップをやったことがあったんです。その時、お客さんが集まって、とっても満足してくれて、「ぜひまたやってください!」という嬉しい声があって、それが励みになったところもあるかもしれません。人が喜んでくれることをやりたいと思っていたし、手芸をやりたい、芸能のこともやりたい、だけど、そのためには絶対にワークパーミット取らないと、やりたいことができないなって。

ご機嫌であることは効率がいい

 

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