米9月雇用11.9万人増、予想大幅に上回る 失業率4.4%にやや悪化

米国マサチューセッツ州メドフォードのレストランの窓に貼られた求人の看板。2023年1月25日撮影。REUTERS/Brian Snyder

[ワシントン 20日 ロイター] – 米労働省が20日発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から11万9000人増加し、エコノミスト予想の5万人増を大幅に上回った。一方、失業率は4.4%と前月の4.3%から悪化し、2021年10月以来約4年ぶりの高水準に達した。8月の雇用者数も大幅に下方改定され、今年2回目のマイナスとなった。

失業率の上昇は、労働市場に新たに参入した求職者の増加を反映している。また、労働省の別のデータによると、11月中旬のレイオフ件数は低水準にとどまっており、企業が不透明な環境に対応する中、労働市場が持ちこたえている様子を示唆した。

RSM USのチーフエコノミスト、ジョセフ・ブルスエラス氏は「労働市場の急速な悪化は示しておらず、経済と雇用の緩やかな成長を裏付けている」と指摘。年内最後となる12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「利下げが賢明でも必要でもないという、最近の金融政策シナリオを支えるだろう」と述べた。

8月の雇用者数は4000人減と、当初発表の2万2000人増から下方修正された。
9月の雇用統計は10月3日発表される予定だったが、連邦政府機関の一部閉鎖の影響で延期されていた。10月の統計については、11月分と合わせて12月16日に発表される見通し。12月9─10日のFOMCに間に合わないため、今回9月分のデータが金融政策に影響を与える可能性がある。

9月は、業種別では医療関連が雇用増をけん引し、4万3000人増加した。レストラン・バーは3万7000人増、社会福祉関連は1万4000人増。

一方、運輸・倉庫は2万5000人減。連邦政府は3000人減少し、年初来の減少は累計で9万7000人となった。9月末には連邦政府の退職奨励策に応じた数万人が雇用から外れたため、今後さらに減少する見込みだ。

<労働需給の減少>

雇用者数の大幅な下方改定に見られるように、労働市場は今年に入り失速している。エコノミストらは、労働需給の減少が主因という見方を示す。労働供給の減少は、トランプ政権の移民規制の影響と指摘される。

人工知能(AI)の普及に伴い、労働需要が減少していることも注目される。とりわけエントリーレベルの職への影響が顕著で、大学新卒者の就職機会が奪われているもよう。エコノミストは、AIが「雇用なき経済成長」を引き起こしているという見方を示す。また、トランプ政権の貿易政策が不確実性を高め、とりわけ中小企業の採用能力を阻害しているとの指摘もある。

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