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Reuters

掲載日

2025年11月19日

欧州の財務相らは、SheinやTemuのようなオンラインプラットフォーム経由で流入する中国発の安価なEC(電子商取引)輸入品を取り締まるため、低額小包に対する関税の適用開始時期を来年へと前倒しすることで合意しました。以下では、安価なEC輸入をめぐる欧州の懸念と、欧州連合(EU)が講じている措置の詳細を示します。

ベルギー・ブリュッセルの欧州委員会本部前で翻るEU旗(2019年9月19日)ベルギー・ブリュッセルの欧州委員会本部前で翻るEU旗(2019年9月19日) – REUTERS/Yves Herman

EUには、域内に到着するEC小包の評価額が150ユーロ(174ドル)未満の場合、関税を免除する「デ・ミニミス」制度があります。Shein、Temu、AliExpress、Amazon Haulといったオンラインプラットフォームは、この関税免除を背景に、中国の工場から衣料品、アクセサリー、ガジェットを超低価格で消費者に直接届けています。

EU域内に到着する低額EC小包の数は、昨年は2倍の46億個に達しました。欧州委員会によれば、その90%以上が中国発です。欧州委員会は、EUに流入する低額小包の約65%が関税回避を目的に過少申告されていると見積もっています。

また、適合基準を満たさない製品による消費者被害、寿命の短い製品の輸送に伴う環境への悪影響、輸入急増によるEU産業、特に小売業への打撃といったリスクも指摘しています。米国は、800ドル未満の小包を無税で受け入れることを認めていた自国の「デ・ミニミス」制度を廃止し、安価な中国からの輸入品がより多く欧州に流れるのではないかとの懸念が生じています。

欧州委員会によると、EUは税関制度の抜本的な見直しを計画しており、加盟国のITインフラを置き換えるEU税関当局とEU税関データハブを創設することで、各国は年間最大20億ユーロを節約でき、連携を一段と強化できるとしています。

EUは関税同盟であり、非加盟国からの輸入品には共通関税が適用され、EU域内の貿易には関税がかかりません。しかし、各国には独自の税関当局があり、域内には現在189もの異なる税関ITシステムが存在するためデータハブが必要だと、欧州議会で改革を監督するオランダのディルク・ゴティンク議員は指摘します。情報の機密性を踏まえ、データハブは欧州のテクノロジー企業と連携する必要があります。

「このデータは基本的に、欧州経済と貿易の流れをMRIスキャンしたようなもので、極めて機密性が高く、このデータへのアクセスは非常に厳格に規制されなければなりません」と、ゴティンク氏はロイターのインタビューで語っています。
電子商取引企業がデータハブにアクセスできるようにする本格稼働は2028年に予定されており、現行の150ユーロのデ・ミニミス免除が廃止されるのもこの年です。多くの関係者にとって、それでは遅すぎます。

EUはまた、低額のEC小包に対する「簡素化された暫定関税」を、早ければ2026年11月に導入したい考えです。すべての小包に単一の割合を適用するこの関税は、12月12日の財務相会合で決定される予定です。

欧州委員会はさらに、消費者に直接配送される低額のEC小包には2ユーロ、倉庫で取り扱われる小包には50セントの取扱手数料を課すことも提案しています。負担者はオンライン小売業者または輸入業者で、これは暫定関税に加えて課されます。

この取扱手数料は2026年11月に導入される見込みですが、その実施を支えるITソリューションが整えば、より早く導入される可能性もあります。

11月27日の締め切りを前に、フランス、オランダ、ポーランド、ポルトガルを含む複数の国が、新設されるEU税関当局の誘致に名乗りを上げています。

フランスはベルギーとの国境に近い北部の都市リールを、ポーランドはすでに欧州国境沿岸警備機関(Frontex)の本部があるワルシャワを、それぞれホスト都市として提案しています。ポルトガルはポルトを提案しています。

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