ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社、アーム・ホールディングスのソウル事務所が今週、韓国公正取引委員会による立ち入り検査を受けた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、継続中の調査の一環だという。
情報が部外秘であることを理由に匿名で語った同関係者らによれば、韓国公正取引委はアームのライセンス慣行を巡る調査の一環として、予告なしの検査を実施しているという。
米クアルコムは、20年余りにわたりオープンネットワークを運営してきたアームについて、自社技術へのアクセスを制限することで競争を阻害していると苦情を申し立てている。
アームとクアルコムの広報担当者はいずれもコメントを控えた。韓国公正取引委の報道官もコメントを控えている。
クアルコムは、アームが反競争的な行為に従事しているとして、米連邦取引委員会(FTC)や欧州委員会にも苦情を申し立てたと、ブルームバーグは先に報じていた。
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スマートフォン向けプロセッサーの最大手メーカーであるクアルコムは、アームがオープンライセンスのモデルを通じ、他社がアームの技術に強く依存する関係をつくり出したと主張している。
アームは半導体設計を提供し、いわゆる命令セット(IS=ソフトウエアがプロセッサーに命令を伝えるために使われるコード)のライセンスを供与している。クアルコムなどの半導体メーカーのほか、アップルのようなデバイスメーカーも自社製品でアームのライセンスに依存している。
クアルコムは各国の競争当局に対し、アームが自社利益のために技術へのアクセスを制限しており、市場を脅かしていると主張していると、ブルームバーグは先に報じていた。一方、アームはクアルコムによる当局への申し立てについて、「競争で自社を有利にする目的で、当事者間の継続中の商業的紛争を拡大しようとするものだ」と主張している。
韓国公正取引委は、国内の独占禁止法に基づき、書類収集や聞き取り調査のための立ち入り検査を行う権限を持つ。同委がこうした手段を用いることは珍しくないが、今回の措置は調査が一段階進んだことを示唆している。
原題:South Korea Antitrust Regulators Inspect Arm’s Office in Seoul(抜粋)
— 取材協力 Ian King, Heesu Lee, Shinhye Kang and Takahiko Hyuga

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