
タマスタ筑後の室内練習場で、トレーナーとフォームの確認を行う沢柳
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ソフトバンクの沢柳亮太郎投手(25)は昨年9月に右肘のじん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けてリハビリ中だ。昨季ルーキーで2勝を挙げた右腕は育成選手として再出発。夏場に襲った約3カ月間の停滞期間を乗り越え、現在は制限なしで投げられるまでに回復した。ラグビーの元ニュージーランド代表、故ジョナ・ロムーさんの言葉「苦痛は一瞬だけど栄光は一生」を胸に1軍へのカムバックを目指している。
再び1軍のマウンドに立つため、体だけでなく心も強くなっている。沢柳が昨年9月に手術を受けた右肘のリハビリは順調に進んでいた。しかし、痛みが出る選手が多いとされる術後10カ月が経過した頃、沢柳にも異変が起きた。「ビリッときた。投げたらパーンとはじけそうな感じ」。約3カ月間投げられない日々が続き「メンタル的に凄くつらかった」と振り返る。
ネガティブな気持ちをかき消すために励んだのはウエートトレーニングだった。「何かしていたら、その瞬間だけ(不安が)消えていく」。リハビリ期間のトレーニングで体を鍛え直した。ボールを投げることを控えた3カ月で大きくなり、出力アップも実感している。投球が完全復活したわけではないが、制限をかけずに全力投球できる状態まで戻ってきている。
誰もが認める努力家で練習熱心だが、ファンとの時間も大切にしている。「自分に会いに来てくれていると思ったら(ファンと)しゃべりたい。投げていない時もずっと“応援している”と言ってくれる方を大事にしたい」。会話の中で聞いた職業や趣味を記憶しているのは、常に“謙虚さ”を大事にしているから。「謙虚さを失ったら人から好かれる人間力がなくなり、支えてくれる人がいなくなり、自分の能力が落ちても言ってくれる人がいなくなる」。ファン思いの性格を物語るように言葉があふれるように出てきた。
尊敬する人物はラグビーのニュージーランド代表で活躍した故ジョナ・ロムーさん。遺伝性の腎臓疾患のために競技から離れながらオールブラックスに戻ってきた名ウイングだ。「苦痛は一瞬だけど栄光は一生」。心に響いたロムーさんの名言を大事にしている。
野球選手としての最終目標は、引退セレモニーをしてもらえる選手になること。今は厳しい時間が続いているが、人生の中で考えれば“一瞬”。焦らずに未来の栄光を信じてリハビリを続けていく。 (昼間 里紗)
◇沢柳 亮太郎(さわやなぎ・りょうたろう)2000年(平12)3月8日生まれ、東京都出身の25歳。小学5年で競技を始め、中学では硬式クラブ「福生シニア」でプレー。明学東村山で甲子園出場なし。明治学院大では首都大学野球2部でプレー。ロキテクノ富山では22年の都市対抗に出場し、同年はU23W杯日本代表で優勝に貢献。昨年9月に右肘関節内側側副じん帯再建術および右肘頭骨接合術を受け、同年オフに育成選手として再契約。1メートル79、86キロ。右投げ右打ち。
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