サガそう水辺の生き物

2025/11/18 11:00

 今週まで外来種の紹介(しょうかい)をします。前回は「国内外来種」についての話で、外国の生き物だけではなく国内の生き物も外来種になることを紹介しました。今回紹介する魚はややこしく、外来種だけど同時に在来(ざいらい)種でもある魚です。

 その魚はゼゼラ! 西日本に広く生息する魚で、学名もBiwia zezera(ビウィア ゼゼラ)と、和名と学名が同じ魚なんです。ちなみに、ゼゼラという名前は琵琶湖(びわこ)の近くの膳所(ぜぜ)という地域(ちいき)が由来だそうですよ。ゼゼラは川の底に暮(く)らしていて、おちょぼ口で川底の餌(えさ)を突(つ)いて食べる様子がとてもいじらしいです。

 ゼゼラは西日本にいる魚なのでもちろん九州では在来種で、なんなら絶滅危惧(ぜつめつきぐ)種です。しかし、今佐賀県(さがけん)で見られるゼゼラのほとんどは外来種のゼゼラなんです。どういうことかというと、佐賀県に元々いたゼゼラが、国内外来種として定着した琵琶湖のゼゼラに置(お)き換(か)わっているんです。人の目ではなかなか分からないのですが、いつの間にか佐賀県のゼゼラは外来種ばかりになってしまったんです。

 佐賀に元々いる生き物でさえ、他の地域から来たら外来種になってしまいます。その原因(げんいん)となってしまう生き物の放流はやめましょう。やるとしても専門(せんもん)家の指導(しどう)の下でやるようにしましょう!

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