ワシントン(CNN) 米国家運輸安全委員会(NTSB)はこのほど、ミシガン州で先月発生したビジネスジェットの墜落事故を巡る暫定報告書を公表し、操縦士らが機体修理後、テストパイロットを待たずに自ら試験飛行を行ったところ、ランシング近郊の雑木林に墜落したとの見解を示した。

メキシコで機体登録されている「レイセオン・ホーカー800XP」は先月16日、ミシガン州バス郡区で墜落し、搭乗していた3人が死亡した。報告書は今月13日に公表された。

NTSBによれば、この機体は墜落前、整備のため7カ月にわたりミシガン州バトルクリークに駐機していたという。

整備には主翼の一部を取り外す作業が含まれていた。この場合、パイロットは運用再開前に失速状態(機体が揚力を失う状態)での試験飛行を行う必要がある。

報告書によると、整備を手掛けたダンカン・アビエーション社は、ビジネスジェットの乗員が機体を引き取りに来た際、失速試験を行うテストパイロットを雇うよう提案していた。

NTSBは報告書で、「機長には雇う候補として、整備後の失速試験を行う経験豊富なテストパイロットのリストが提供されていた」と説明。「しかし、テストパイロットと調整が付かず、自ら整備後の失速試験を行う選択をした」と指摘している。

機体の墜落で黒煙が立ち上る様子=10月16日、ミシガン州/WILX
機体の墜落で黒煙が立ち上る様子=10月16日、ミシガン州/WILX

フライト追跡サービス「ADS-Bエクスチェンジ」で入手可能なデータから、急降下した機体の降下率は毎分2万4000フィート(約7300メートル)に達していたことがうかがえる。目撃者が撮影した映像には、ビジネスジェットがきりもみ状態で地面へ落下し、住宅の後ろに消えた後、大きな黒煙が上がる様子が捉えられている。

事故ではビジネスジェットの所有者のために働いていた操縦士2人と、整備担当者1人が死亡した。

調査員は事故原因の究明を続けており、最終判断を下すのはおよそ1年後になる見通し。

報告書によれば、NTSBはこれ以外にも、ビジネスジェットの失速試験中に起きた事案少なくとも3件について調査している。

ユタ州では昨年2月、同様のホーカービジネスジェットで失速試験を行っていた操縦士2人が死亡した。操縦士らは機体の失速警報装置をテストする必要があった。

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