英国のリーブス財務相が、26日に発表される予算案に所得税率引き上げを盛り込む計画を断念した。英国が歳入の不足分をどのように補うのか、投資家の間には疑問が広がり、英国債は急落している。
関係者によると、リーブス氏は、増税しないという労働党の選挙公約を破ることについて、党内部から広く懸念が表明されたことを受け、基本所得税率や高所得者所得税率の引き上げを見送ることを決めた。
また、富裕層が英国から他国に移住する際に課す「清算税」の導入可否も再検討している。さらに、有限責任事業組合(LLP)を活用する個人からの税収増を狙う案についても、内容を緩和する可能性があるという。
こうした報道を受け、英国債は14日の取引開始時に急落し、10年債利回りは一時13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、4.57%となった。日中の上昇幅としては7月以来最大。英ポンドは、主要通貨の中で最悪のパフォーマンスを示しており、ドルに対して一時0.6%下落した。

英国の財務大臣のリーブス財務相が、26日に発表される予算案に所得税の最高税率を引き上げを盛り込む計画を断念した
Source: Bloomberg
財務省に詳しい人物によると、リーブス氏は実質2件の予算案を作成した。1つは物議を醸す増税を含む内容で、もう1つは税法の変更や複数の小幅な増税で構成されていた。リーブス氏は増税を伴う前者の案を支持していたが、後者のアプローチを採用するよう政治的圧力に直面していたという。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、リーブス氏が所得税率引き上げを断念すると先んじて報道し、代わりに、所得税の税率が変わる所得の閾値(しきいち)を引き下げる可能性があると伝えた。
財務省はコメントを控えている。
スターマー政権では数日前、上級閣僚が首相の座を奪おうとしているとの疑惑を巡る騒動が明るみに出た。ブルームバーグは13日、この件に詳しい関係者の話として、リーブス氏が予算案について最終決定を下せないでいるのは、騒動への対応策について、閣内で議論が続いていることが一因だと報じた。
見通し改善
一方、一部の関係者らは、英国の財政予測の改善により、所得税の増税を避けられたとしている。
関係者によると、予算責任局(OBR)の最新予測は、堅調な政府収入と賃金の上昇により、大幅に好転した。350億ポンド(約7兆1200億円)と予測されていた財政赤字は、実際には200億ポンド近くまで縮小しているという。
リーブス財務相は、財政ルールに対し150億-200億ポンドのゆとりを確保できる見通しだ。
ただ、財政の残りの赤字を埋めるためには、依然として大幅な増税が見込まれているという。
関係者は、リーブス氏が予算で所得税の課税基準額の調整や、従業員が給与の一部を放棄し別の福利厚生に切り替える「給与犠牲プログラム」から、多額の税収を上げる見込みだと語った。
原題:Reeves to Drop Tax-Rise Plans Because of Better UK Forecasts、Reeves Drops Income Tax Increase Plan, Spurring Selloff in Gilts (抜粋)

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