
11月14日、ニデックは、2026年3月期の半期報告書の要約中間連結財務諸表について、結論を表明しない旨の期中レビュー報告書を受け取ったと発表した。写真はニデックのロゴ。2018年7月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 14日 ロイター] – ニデック(6594.T), opens new tabは14日、2026年3月期の半期報告書の要約中間連結財務諸表について、結論を表明しない旨の期中レビュー報告書を受け取ったと発表した。不適切な会計処理などに対する第三者委員会の調査や社内調査が継続している中で、監査法人が中間連結財務諸表に修正が必要かどうかについて判断することができなかったとしている。26年1月下旬に管理体制の改善計画を発表する。
この日発表した25年4―9月期業績(国際会計基準)は連結売上高が前年同期比0.7%増の1兆3023億円、純利益が同58.6%減の311億円だった。通期の見通しについては、引き続き未定とした。
中間期の利益を押し下げたのは、計877億円の損失計上だ。車載用製品で顧客との契約履行に伴い発生する可能性の高い損失に備えるために364億円の引当金を積んだほか、非金融資産の一部で316億円の減損損失を計上した。また、仕入れ先からの求償請求案件について、仕入れ先との和解に伴い194億円の求償債務を計上した。いずれも第三者委員会の調査次第では、計上の時期が変化する可能性があるという。
7月に速報値として発表した4─6月期の純損益455億円の黒字は、今回93億円の赤字に修正した。
足元で第三者委員会の調査が続いており、調査次第では、今後修正の可能性がある。岸田光哉社長は、今後について「この規模の損失が出るか出ないかは正しく申し上げることはできない」としたが、事業そのものについては「何かボトルネックがあって事業が止まっているというような事情は承知していない」と述べた。
同社は4日、6000億円の融資枠(コミットメントライン)を確保したと発表した もっと見る 。副最高財務責任者の中川一夫執行役員は、サプライヤーなどの不安払しょくなどのためだと説明した上で「6000億円を使うまでもなく、キャッシュフローは潤沢だし、資金調達は今のところ基本的に問題ない」と述べた。下期の社債償還資金については、キャッシュフロー、手元資金に加え、銀行からの借り入れで賄うとした。
ニデックは企業買収により成長してきたが、岸田社長は「配当をストップしている状況下で、企業の買収に資金を割くことを控えるべきと考えている。現在は交渉も含めて停止している」と述べた。
同社は6月、イタリア子会社における貿易取引上の問題等が発覚したと発表。また、不適切な会計処理の疑義及び同社やグループ各社において各々の経営陣の関与・認識の下、資産の評価減の時期を恣意的に検討していた疑義があるなどとし、9月に第三者委員会を設置して調査を開始した。
この間、9月26日まで提出期限を延期した25年3月期の有価証券報告書は、監査法人が「意見不表明」として提出。10月には中間配当の無配を決め、通期の業績予想を取り下げていた。
<第三者委員会最終報告、年内には出ず>
同社は、10月に東京証券取引所から特別注意銘柄に指定された。この日は東証に改善計画の策定方針を提出した。12月中旬には日本取引所の自主規制法人に改善計画と状況報告書のドラフトを提出。26年1月下旬に改善計画・状況報告書の適時開示を行うとした。
これまで、コンプライアンス最優先の意識・企業風土の醸成、最高法務責任者(CLO)の役職の新設、北米拠点での法務コンプライアンス専門家の配置などガバナンス体制の強化を進めてきている。岸田社長は会見で「ここからニデックは本当に変わっていく。新たなニデックへと再生を果たすべく、改革に取り組んでいく」と決意を語った。
具体的には、企業風土の改革、短期的に儲けた人だけが評価されるような人事制度の改革や人材の育成、恣意性の介入しないプロセス改革などを挙げた。岸田社長は「短期の利益追求するが故の弊害は明らか、そこを直さないと大きな変革できない」と指摘した。
第三者委員会の調査報告については、いつ出るか言う状況にないとした上で「少なくとも年内には最終報告をいただく状況にはない」とした。コンプライアンスを担当する南井正之・執行役員は「この機会を使って会計に関する疑義を徹底的に洗い出す。そういう意味でしっかりと時間をかけたい」と説明した。
また、経営責任については「企業を再生することが果たすべき最大のミッション」とした。ただ、自身も含め、経営責任は何らかの形で出てくると思うとし「第三者委員会の調査の結果を踏まえて適切に判断したい」と述べるにとどめた。
永守重信グローバルグループ代表は会見に出席しなかった。昨年4月以降、決算説明の場に出ていないためとした。
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