台湾の文化とガラス工芸が交差する展覧会が富山で開幕
富山市ガラス美術館にて、台湾のガラス工芸をテーマにした「ひかり宿す・ひとひらの島-台湾イメージ・ガラス工芸展」が11月8日に開幕しました。この展覧会は、新竹市文化局の主催によって、台湾の優れたガラス工芸作品が初めて富山で展示されることを意味しています。本展で展示されるのは、新竹市立ガラス工芸博物館から選ばれた20点の収蔵作品と、10名のアーティストによるオリジナル作品です。
ガラスの美しい光と影、そして台湾の文化が見事に融合したこの展覧会は、芸術の祭典とも言える場所です。アート愛好者はもちろん、一般の皆様にとっても、台湾のガラス工芸の魅力を体感できる貴重な機会となります。
開幕式の盛り上がり
開幕式は多くの地元アーティストやガラス製作に携わる人々が駆けつけ、熱気に包まれました。出席者には、富山市ガラス美術館の前館長である渋谷良治氏や、富山ガラス造形研究所の所長・本郷仁氏、そして台湾からは著名なガラス工芸家である林邑龍(リン・イロン)氏も参加。これによって、日台の友情がいっそう深まりました。
新竹市文化局の副局長である李欣耀(リ・キンヨウ)氏は、富山市を訪れることができたことの喜びを語り、隈研吾氏が手掛けた美術館のデザインから富山のガラス芸術の力強さを感じたと述べました。また、富山と新竹がガラス産業において共有する歴史的な背景についても言及し、今後のさらなる関係構築に期待を寄せました。
台湾の文化を感じる作品
本展のキュレーターを務める蕭銘芚(ショウ・メイトン)教授は、展示作品のテーマとして台湾を挙げ、アーティストたちが多種多様なガラス技法を用いて台湾の豊かな文化や独特の風土を表現していると説明しました。作品群は、台湾の美しさとその影響を受けた地元の文化に対する深い感受性を示しています。たとえば、台湾の離島「蘭嶼(らんしょ)」の伝統的な漁船や食文化の象徴であるビーフンなど、多岐にわたるテーマがあります。
展示作品のセクション
展覧会は「在地風情」「特色景物」「当代芸術」の三つのセクションに分かれています。
– 在地風情: 新竹の地域文化をテーマにした作品が展示されています。邵尊漢(シャオ・ズンハン)氏の作品「歴史の石磚城之一」は、ガラスの鋳造技法で新竹の建築歴史を象徴しています。- 特色景物: 台湾の自然や文化を表現した作品が並び、施英輝(シ・インホイ)氏の「蘭嶼の拼板舟」は、先住民文化に敬意を表する作品です。- 当代芸術: 社会や心理に関心を持った作品が展示され、丁右尉(ディン・ヨウウェイ)氏による作品「穿孔」では現代社会のプレッシャーを表現しています。
開催概要
「ひかり宿す・ひとひらの島-台湾イメージ・ガラス工芸展」は、11月18日(月)まで富山市ガラス美術館のギャラリー1で開催されます。地域の皆さんやアート愛好者の皆様には、この機会に台湾のガラス工芸の魅力をぜひ直接感じていただきたいと思います。
展覧会の日本国内における実務は、株式会社コミューナが担当しており、文化交流の架け橋となるべく活動を続けています。彼らは翻訳、マーケティング、デザインなど、多岐にわたるサービスを展開し、地域の魅力を国内外に発信しています。
この展覧会を通じて、台湾のガラス工芸とその背後にある文化の豊かさが、多くの人々に届くことを願っています。




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