世界最大の上場ヘッジファンド、マン・グループでは、欧州の複数の機関投資家がサステナビリティ基準に基づいて運用委託先を再構成する中で、顧客からの資金流入が増加している。同社の責任投資調査責任者のジェイソン・ミッチェル氏がインタビューで語った。

  ミッチェル氏は、マン・グループの持続可能な投資商品が「より複雑なソリューション寄りの商品群に位置しており、率直に言えば、その点が理由でこれまで市場平均を下回る成長だった」としたうえで、「今では状況が変わった」と述べた。

  2000億ドル(約30兆8100億円)超の資産を運用するマン・グループは、9月に欧州最大級の年金基金の一つ、オランダのPFZWから132億ドルの委託運用契約を獲得した。PFZWは資産配分の広範な調整を行っている。ブルームバーグは以前、ブラックロックやヘッジファンドのAQRキャピタル・マネジメントなどが委託契約を失う中、PFZWは持続可能性を重要な要素として挙げていると報じた。

  ミッチェル氏は「マンで責任投資を行うには、今が絶好のタイミングだと感じる」と語った。

  サステナブル投資は、ここ数年の厳しい局面を経て、再び活気を取り戻しつつある。特にクリーンテック株は反発局面に入り、上昇が続く。ただ、政治的な分断に直面する中で、この投資戦略は金融の専門家らの間でも依然として賛否が分かれている。

  欧州連合(EU)では、気候変動や多様性に関する目標が法制化され、主要な年金運用機関もポートフォリオにこうした現実を反映させようとしている。一方で、競争力を損なうとの懸念を受け、一部の規制が後退する動きも出ている。

  米国では、銀行や資産運用会社は、気候変動や多様性を考慮した投資戦略に対する政治からの攻撃に、引き続き対処しなければならない。

  ESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資の政治的側面が困難さを増す中、多くの資産運用会社が、リスク監視への資産配分を減らしている。一方でミッチェル氏は「一部の運用会社がチームの縮小や離脱を進める中、当社はデータ、クオンツ能力、リサーチへの投資を一貫して継続してきた。その多くが今、成果として現れ始めている」と強調した。

  人工知能(AI)を支えるデータセンターの需要増により再生可能エネルギー分野が追い風を受ける中、ESG投資への方針を変えずにきた投資家らは、広範な市場でアウトパフォームしている。S&Pのクリーンエネルギー指数は今年50%超上昇した。

  マン・グループでは、責任投資を合わせた運用資産が昨年末時点で600億ドル超に達し、今後もグリーン関連株の上昇は続くとみている。同社で天然資源に特化するポートフォリオ・マネジャーのアルバート・チュー氏は、投資家たちが「電池、太陽光、分散型電力網といった分野が、現実のビジネスとして成立しつつあることに気づき始めている」と語った。

原題:Hedge Fund Man Group Hails New Era After $13 Billion Mandate (1)(抜粋)

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