オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は10月6日、研究者らが、2022年に実施したCSIRO主導の調査船「Investigator」で収集した標本から新種の深海サメとカニを記載したと発表した。研究成果は学術誌Journal of Fish BiologyとEcology and Evolutionにそれぞれ掲載された。

西オーストラリアランタンシャークは、2022年に調査船「Investigator」が航海中に西オーストラリア州沖で採集した6点の標本をもとに記載
Image: CSIRO Australian National Fish Collection.
新種のサメである西オーストラリアランタンシャーク(Etmopterus westraliensis)の記載は、オーストラリア国立魚類コレクションの魚類学者であるウィル・ホワイト(Will White)博士が携わった。西オーストラリアランタンシャークは小型のサメで、既知の最大標本は体長わずか407mmである。深海での視認に役立つ大きな眼を持ち、細身で小さな背びれにはそれぞれ鋭い棘を持つ。ランタンシャークの特徴の1つは発光能力を持っていることである。同博士は、「ランタンシャークは驚くべきサメのグループであり、この新種は西オーストラリア州沖のガスコイン海洋公園で生物多様性の調査中に水深610メートルで発見されました」と説明した。

四本のハサミを持ち、科学に新しく認められた種としてワクワクしているのは…そう、この小さなカニダマシです!
Image: CSIRO-Cindy Bessey. (出典:いずれもCSIRO)
新種のカニであるカニダマシ(Porcellanella brevidentata)の記載は、西オーストラリア州立博物館の水生動物のキュレーターであるアンドルー・ホージー(Andrew Hosie)博士が携わった。このカニダマシはニンガルー海岸沿いの水深122メートルで発見された。カニダマシの体長は約15ミリと小さく、乳白色系の白黄色を帯びている。これにより、軟質サンゴの一種であるウミエラの白い葉の中に隠れるのに適している。同博士は、「カニダマシはろ過摂食者として知られており、ハサミで食べ物をつかむ典型的な摂食ではなく、長い毛を持つ特殊な口器でプランクトンなどの微小な食物を水中からろ過することで摂食します。これは、典型的なカニの摂食方法とは異なります」と説明した。
深海は依然として未開拓の領域が多い。これらの生息環境における生物多様性の調査は、深海に棲む驚くべき海洋生物の理解を深めるために不可欠である。研究者らは今後、パークス・オーストラリアが管理するコーラルシー海洋公園の深海生物多様性を調査するため、調査船「Investigator」を用いて新たな生物種をさらに発見することを期待している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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