欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会が加盟国に対し、通信ネットワークから中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を段階的に排除するよう義務付けることを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  匿名を希望する関係者によると、欧州委員会のビルクネン上級副委員長(技術主権・安全保障・民主主義)は、モバイルネットワークでの高リスクベンダーの使用停止を推奨する2020年の勧告を、法的拘束力を持つ規則に格上げしようとしている。

  通信インフラの整備方針は各国政府の裁量に委ねられているが、ビルクネン氏の提案が実現すれば、加盟国は欧州委の安全保障に関する指針に従うよう強制される。

  EUは現在、最大の貿易相手国の一つである中国との貿易・政治関係が悪化する中、中国の通信機器メーカーによるリスクへの関心を高めている。中国政府と密接な関係を持つ企業に、重要なインフラの管理を委ねることは、安全保障上の利益を損なう恐れがあるとの懸念が背景にある。

  各国が高速インターネットの普及に向けて最先端の光ファイバー敷設を急ぐ中、ビルクネン氏は、固定通信ネットワークにおける中国製機器の使用制限についても検討している。

  欧州委員会は域外の国に対しても、ファーウェイ製品を含むプロジェクトには、インフラ支援資金の支給を控えるなど、中国ベンダーへの依存を抑止する措置を検討しているという。

  欧州委員会とファーウェイの代表は、コメントの要請に今のところ応じていない。中国外務省はこれまで、ファーウェイとZTEを「高リスク」とするEUの見解について、「法的・事実的根拠を欠いている」と批判している。

  ファーウェイに関する決定権を欧州委に譲ることに対し、加盟国が長年反発してきた経緯もあるため、特定ベンダーを対象とした禁止措置は、政治的な対立を招く可能性がある。通信事業者側も、ファーウェイ製品は価格面・技術面で欧米製品より優れているとして、規制に反対するとみられる。

原題:EU Eyes Banning Huawei From Mobile Networks of Member Countries(抜粋)

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