2025.11.10
(最終更新:2025.11.10)

COP30に先立って開かれた首脳級会合の集合写真=2025年11月7日、ブラジル・ベレン(Photo by Hermes Caruzo/COP30)
【記事の要点】
◇COP30がブラジル・ベレンで11月10~21日に開催される
◇前回COP29では、新たな気候資金の目標や炭素市場に関するルールで合意した
◇今回は各国の新しい削減目標をふまえて、取り組み強化につなげられるかが焦点
気候変動対策を議論する国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が、11月10~21日、ブラジル北部ベレンで開催される。世界有数の熱帯林・アマゾンで開かれる今回のCOPは、森林保全がテーマの一つになっている。
熱帯林保護へ基金設立
COPは「Conference of the Parties(締約国会議)」の略。国連気候変動枠組み条約のCOPは、198の国や国際機関が参加して毎年この時期に開かれている。
前回のCOP29は2024年11月、アゼルバイジャンの首都バクーで開催され、気候変動対策のために主に先進国が途上国に拠出する「気候資金」の拡充と、パリ協定の実施強化が焦点となった。気候資金について「2025年までに年間1000億ドル」という従来の目標の3倍にあたる「2035年までに年間3000億ドル(約46兆円)」という新目標が決まったほか、国際的な炭素市場のルールを定めたパリ協定6条をめぐる交渉も決着した。
COP30では、「NDC(国が決定する貢献)」と呼ばれる各国の新しい温室効果ガス削減目標が、パリ協定で掲げられた「1.5度目標」(産業革命前からの世界の平均気温上昇幅を1.5度未満に抑える目標)達成にはまだ不十分であることもふまえ、各国の取り組みを強化する道筋について話し合われる。また、COP29で決まった気候資金目標を具体化させられるかも問われている。
議長国のブラジルは森林保全に関する議論に注力する姿勢を示す。森林は二酸化炭素の吸収源として気候変動対策のカギを握るとともに、生物多様性保全をめぐっても重要な役割を果たしている。国際的に気候変動対策と生物多様性保全の統合的な取り組みが注目されていることも背景に、COP30は「ネイチャーCOP」とも呼ばれており、この分野での成果も注目される。
11月6、7日にはベレンで首脳級会合が開かれ、ブラジルが主導する熱帯林保護基金(Tropical Forest Forever Facility=TFFF)の発足が、53カ国の賛同で決まった。これは熱帯林保護のための資金を低所得国に配分するための基金で、資金の少なくとも20%を先住民族・地域コミュニティに配分するのが特徴だ。
ノルウェーやブラジル、インドネシアなどがあわせて55億米ドル(約8500億円)超の拠出を表明しており、民間からの拠出1000億米ドルをあわせて1250億米ドル(約19兆円)の基金とすることをめざす。日本の石原宏高環境相は11月7日の閣議後会見で「現時点で日本政府として資金を拠出する予定はないが、熱帯雨林の保全という目的に向け、今後どういう協力が可能か検討していきたい」と述べた。
国連のグテーレス事務総長は11月6日の首脳級会合で演説し、「いま、迅速かつ大規模に行動すれば、(1.5度からの)オーバーシュートを可能な限り小さく、短期間で、安全に抑え、今世紀の終わりまでに気温上昇を1.5度未満に抑えられる」と指摘。「今回のCOPで、加速と成果の10年を始動させなければならない」と各国に訴えた。

竹山栄太郎
( たけやま ・えいたろう )
朝日新聞SDGs ACTION!編集長
2009年に朝日新聞社入社。京都、高知の両総局で勤務後、東京・名古屋の経済部で通信、自動車、小売りなどの企業を取材。2021年にSDGs ACTION!編集部に加わり、副編集長を経て2024年4月から現職。
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