追加利下げ不要、インフレ高止まり=米クリーブランド連銀総裁

米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は6日、米国のインフレ率が高止まりしていることを踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は追加利下げを実施するべきではないとの考えを示した。写真はワイオミング州ジャクソンホールで8月撮影(2025年 ロイター/Jim Urquhart)

[ニューヨーク 6日 ロイター] – クリーブランド地区連銀のハマック総裁は6日、米国のインフレ率が高止まりしていることを踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は追加利下げを実施するべきではないとの考えを示した。

ハマック総裁はニューヨークのエコノミック・クラブで行った講演で「高インフレを引き続き懸念しており、金融政策はそれに対応するものでなくてはならない」と指摘。「先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後、FRBの金融政策はほとんど引き締め的ではなくなったと考えている」とし、一段の利下げを実施すべきか、現時点で自分自身にとっては明確ではないと語った。

その上で、
足元のインフレに対処する上で、現行政策が適切な水準にあるか懸念しているとし、最大雇用を達成しながらインフレ率を目標とする2%に戻すために、金融政策は「緩やかに引き締め的」でなければならないと述べた。

物価情勢については、インフレ率は年末時点で3%となり、2026年まで高止まりすると予想。その後は徐々に望ましい水準へ戻るとの見通しを示した。

労働市場については、大幅に悪化する可能性は現時点では高くないとみているとしながらも、雇用の伸びが鈍化していることで、将来的に脆弱性が高まる可能性があるとの見方を示した。

このほか、金融市場が景気の下支えになっているとも言及。株高や良好な与信環境を反映し金融環境はかなり緩和的になっているとし、こうした環境で来年の経済成長が押し上げられる可能性があるとの見方を示した。

ハマック総裁は今年のFOMCで投票権を持っていない。

FRBは10月28─29日に開いたFOMCで0.25%ポイントの利下げを決定。
パウエルFRB議長は政府機関の一部閉鎖が続く中で指標の不足により経済の実態を巡る不透明感が払拭されなければ、これが今年最後の利下げになる可能性を示唆した。

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