米エヌビディアの時価総額は、今後さらに数兆ドル規模で拡大する可能性があると、ループ・キャピタル・マーケッツのアナリストは指摘した。同社は時価総額5兆ドル(約770兆円)を史上初めて突破したばかりだ。

  ループ・キャピタルは3日、エヌビディアの目標株価を従来の250ドルから350ドルに引き上げた。これはウォール街で最も高い水準だ。10月31日の終値202.49ドルから70%超の上昇に相当し、時価総額にすると8兆5000億ドルを超えることが示唆される。平均目標株価は231ドル。

  3日の米株式市場でエヌビディアは一時3.4%高。年初来の上昇率は50%超で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の45%を上回る。

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  ループのアナリスト、アナンダ・バルア氏は「生成人工知能(AI)の普及が次なる『ゴールデン・ウェーブ(黄金期)』に突入しつつある。エヌビディアは予想を上回る新たな需要拡大局面の最前線に立っている」とリポートで指摘。

  同氏によると、エヌビディアはまもなくAI用GPU(画像処理半導体)「ブラックウェル」の生産を本格化させる見通しで、「出荷台数が向こう12-15カ月で実質的に倍増し、平均販売価格(ASP)上昇による恩恵を受ける」と続けた。

  一方、ローゼンブラット・セキュリティーズはエヌビディアの目標株価を従来の215ドルから240ドルに引き上げた。エヌビディアが最近主催した会議で、「2026年を通じて5000億ドル超のブラックウェル関連受注を抱えている」という驚異的な数字が示されたという。

  ローゼンブラットのケビン・キャシディ氏は「エヌビディアのAIプラットフォームがハイパースケール・データセンターを超えて、他の市場へ急速に拡大していることを引き続き評価している」と記した。

  エヌビディアは11月19日に決算を発表する予定だ。

原題:Nvidia Can Hit $8.5 Trillion on ‘Golden Wave’ of AI, Loop Says(抜粋)

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