APEC首脳会議に出席した高市早苗総理【写真:Aflo】
人と人とのあいさつや振る舞いには、国ごとに異なるマナーがあります。韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)でチリのガブリエル・ボリッチ大統領と友好的に交流する高市早苗総理の様子が、大統領自身のX(ツイッター)投稿で紹介され、話題を呼びました。距離感をめぐる日本国内での議論とは対照的に、南米の人々からは「まったく失礼なんかではない」と擁護する声が。お互いへの敬意と温かさが伝わる心の通った瞬間として、注目を集めています。
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ボリッチ大統領が投稿で紹介 高市総理との親密な交流
韓国・慶州で開催されたAPEC首脳会議の場で、高市総理とボリッチ大統領が短く言葉を交わす場面が見られました。両首脳は笑顔であいさつを交わし、友好的な雰囲気に包まれています。そのときの様子について、ボリッチ大統領は自身のXアカウントに投稿しました。
「今朝、韓国で日本の高市早苗首相とお会いし、チリを代表して、同国の歴史上初めて首相という高い職責に就かれたことにお祝いを申し上げました。日本とは今後も、アジア太平洋地域の発展のために、共有する価値観に基づき緊密に協力していきます」
そんなメッセージとともに添えられた動画には、高市総理がボリッチ大統領の肩に腕を回し、親しげに資料を覗き込む場面や、向かい合ってにこやかに談笑する様子が収められています。日本のポップソングがBGMに使用され、今回の交流がとても楽しいものだったと伝わってきます。
「失礼にあたるのか」 批判への反論が殺到
高市総理の最近の振る舞いは、国内外のメディアからたびたび注目を集めています。しかし、今回の親密なコミュニケーションには、日本国内で一部から批判の声も上がっていました。
そのため、ボリッチ大統領の投稿のリプライ(返信)に「チリでは失礼にあたるのか」と質問をする人も。それに対し、南米の人々からは、擁護する声が続々と寄せられています。
「それは失礼ではありません! むしろ、とても自然な関わり方です」「チリでは、このような仕草をとても好意的に受け止めています」「まったく失礼なんかではありません。彼女はとても魅力的で、ごく自然な対応でした」などの声が相次ぎ、高市総理の親しみやすい外交スタイルは、チリの人々から好意的に受け止められているようです。
日本では控えめな所作が礼儀とされる一方、チリをはじめとするラテン文化圏では、笑顔や軽いタッチによって親しみを伝えることが一般的。そのどちらもが、相手を思う心から生まれる礼儀です。今回の交流は、マナーは形より心ということを教えてくれる出来事だったのかもしれませんね。
(Hint-Pot編集部)
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