ドイツ銀行の米不良債権取引部門は、7-9月(第3四半期)に約2億ドル(約310億円)の利益を計上した。事情に詳しい関係者が明らかにした。
主な収益源は、米衛星ネットワーク運営会社エコスターの株式と転換社債の取引だった。エコースター株は、同社が無線周波数帯を複数社に売却した後に急反発したという。
ドイツ銀の広報担当者はコメントを控えた。
好調だった取引にはほかに、NBA(全米バスケットボール協会)のチーム、ニューヨーク・ニックスの試合を放送するMSGネットワークス債関連や、映画館チェーンAMCエンターテインメントの債務再編などがあった。
米国の不良債権取引チームは約20人で構成され、2023年からベテランのCJ・ランクトリー氏が率いている。
同部門は、再建プロセスを主導できるように、支配的な立場を取れる不良債権への投資を重視している。
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MSGネットワークスでは同社の資金繰り改善取引を主導。破産の危機を回避し、約6億ドルの負債を削減するのを支援した。
AMCではオルタナティブ投資会社キャロネード・キャピタル・マネジメントと共に債務再編を主導。
再編ではAMCが一部債権者の手の届かない形で映画館や関連知的財産を移転するなどの措置が取られ、訴訟が起こされた。
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原題:Deutsche Bank’s US Distressed Desk Records $200 Million Profit(抜粋)
— 取材協力 Arno Schuetze

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